【レビュー】WILIER FILANTE SLR【リムロードに肉薄するディスクロード】

こんにちは、コウです^^

それでは今日も元気よくやっていきましょう!

本日のテーマはこちら。

【レビュー】WILIER FILANTE SLR【リムロードに肉薄するディスクロード】

こういうテーマでやっていこうと思います^^

2ヶ月空きましたが、この期間に色々家庭環境が変わり、ずっとドタバタになっていました。

ブログなのに、日誌ならぬ月誌・・・ですらないペースの更新ですが、どうぞお付き合いください。

 

この2ヶ月、ずっと新車の「FILANTE SLR」にご執心な私でございます。

第二世代となる「FILANTE SLR ID2」が出た今、本モデルは立派な型落ちになります。

ただし、第一世代があって初めて第二世代が存在する、ということを忘れてはいけません。

現代のフラッグシップロードに君臨するTARMACもDOGMAも、先代があって初めて進化を遂げることができるのです。

初代FILANTEも、元々は「CENTO10 AIR / PRO」という存在があった上で成り立つモデルです。

そんなFILANTEが追究した要素は、

現実世界での速さ

つまり、CFDのような近似式で表した計算上のシミュレーション結果や、風洞のようにリアリティの無い世界での空力テストだけに留まらず、さらにウェイト、重量剛性比のような、数値上で見てわかるデータ上このくらいタイムを削れるだろうという「数字」だけに拘っていないということ。

実際にライダーが走らせて「速い」と体感できる性能を目指して作られているのです。

当時語ったウィリエール開発陣のこの設計思想は、今現在のロードバイク開発の土台になっています。

車で言えば、ホンダのエアロパーツ「MODULO X」が目指す”実効空力”の考え方と似通っていると感じられますね^^

 

2年前のCervelo S5購入から迷走の末に辿り着いた、私にとっての終着点であるFILANTE SLR。

マーク・カヴェンディッシュが使ったMETRON 60 SLで武装した新世代エアロロードは、どんな走りを見せてくれるのか?

ぜひ参考にしてみて下さい^^


【仕様をチェック】

フレームサイズはS、カヴェンディッシュが実際に乗っていたのと同じサイズです。

この仕様で、重量は8.1kg。

もちろんペダル、ボトル類、サイコン類も込み。

なので、外せば7.6kgほど。

フレーム重量870gのバイクからは想像もつかないくらい重いですが、主に足回りとのせいです。

特徴的なのが、何と言ってもこのカラーリング!

後ろに付いて見たらただの黒いロードバイクですが、観客からしたら明らかに他と違うカラーであることが丸わかりなので、色んな意味で目立つこと間違いなし。

ホイールはVISION METRON 60 SL。

内幅は21Cですが、外幅が32mmもある極太リムで、28Cタイヤですらリムからはみ出せないくらい太いです。

こうなると、リムとタイヤサイドの段差が気になるところ。

最近ピレリが「 P ZERO RACE SL-R」という名前のエアロタイヤを出してきましたが、細かいところに着目するとこういうパーツが欲しくなるものです。

気になる重量は、公称1490gに対し前720g、後840g、トータル1560g。(チューブレステープ込み)

カーボンスポークホイールが台頭する現代においては、かなりの重量級。

しかしこれがまた重量からくる予想とはかけ離れた走りを見せるから、最近のホイールは侮れないなと思わされるのですが、それは後ほど。

METRON 60 SLに合わせるタイヤ/チューブは、コンチGRAND PRIX 28C + VITTORIA ラテックスチューブ。

通称「GP5000」ではなく、トレーニングタイヤであるGP無印です。

重いですが耐久性が高く、グリップも良い、コンチとしては珍しく柔らかめのタイヤに、ラテックスチューブで乗り心地をさらに良くしてもらうという組み合わせ。

空気圧は体重68kgで、前5.2bar、後ろ5.4barが良い感じですね。

フレームのグロス具合が凄まじく、手が映りこんでいます(笑)

メインコンポは、シマノR8150アルテグラ。

ただし、クランクとプーリーは社外品。

  • クランク・・・CYBREI FC-01
  • プーリー・・・シマノM9100 13T / TRiPEAK JETSTREAM PRO2 18T

クランクは「GP-3」とも呼ばれていますが、国内販売モデルは鈴一商店様のサイトでは「FC-01」というようです。

ここで注目していただきたいのが、クランク長。

167.5mmをチョイス。

長年愛用してきた170mmと決別しました。

プーリーは、シマノのMTBコンポ「XTR」とTRiPEAKのちゃんぽんです。

テンションプーリーは、純正ゲージが使えるJETSTREAM PRO2で抵抗低減。

ガイドプーリーには、純正でありながら歯数が多く、変速の安定性が高いシマノXTR M9100用をチョイス。

どんどんロードバイクがMTB化していきますね(笑)


【FILANTE SLRインプレッション スプリンターの為のバイクなのか?】

それでは、実際に走らせてみたレビューを述べていきます。

最近筋トレを頑張っているせいで、体重が増えている私。

  • 身長169.5cm
  • 体重69.0kg
  • FTP275W ←上がったけど体重分増えただけ?

ゴリゴリのスプリンターが書いております。

「高リムハイトな重量級ホイールを履いているバイク」とは思えないほど軽い加速感

最初の一踏み目。

ここが一番肝心です。

今まで使ってきた機材との違いを顕著に感じられる瞬間だからです。

それがフレームやホイールともなれば、より鮮明に反応が返ってきます。

 

家を出て、駐車場を越えたらわずかに下って、最初はメインストリートに出るまで緩やかな上り坂を通過します。

ここで既に驚きが。

低速域からの加速で、非常にスムースかつ省力で加速が伸びる。

正直この全体の見た目からは想像もつかないくらい、抵抗や引っ掛かりを微塵も感じない、滑らかで優しい加速感です。

硬すぎるフレームにありがちな、クランクを真下に踏み込むために余計な力が要るほどの剛性の高さは感じられない上に、驚くほどスムーズ。

なるほど、フレームの基本性能はこういう感じなのでしょう。

 

続いて信号ダッシュの要領、300W前後での加速。

この辺りで、少し加速に重さと言いますか、ひっかかりが見えてきます。

加速を始めてからのスピードの伸びがVENGEより伸びないな?

と感じます。

何度かストップアンドゴーを繰り返すうち、無意識のうちに、VENGEと同じペダリングの軽さを求めようとしたら、ギアを一枚軽くしてしまっており、ケイデンスが即頭打ちという場面が何度かありました。

履かせているホイールとタイヤの差、が大きいと感じます。

タイヤだけでもハイエンドに変えてあげれば、恐らくMETRON 60 SLはかなり速くなると思います。

小さなチューブプロファイルからは想像もつかないくらい、高速域が伸びる

ターゲットスピードは、40キロ前後。

単走だと、250W前後で走る感覚です。

正直言うと、フレームがこんなに華奢なのに、VENGEと遜色ないくらいにスピードの伸びが良いです。

VENGEは変態じみた形状を持つ最新のエアロロードが登場する2026年現在でもなお、一線級のエアロ性能を持つフレームです。

1:8規定にUCIルールが変わった今、新型REACTOやNOAH3.0といったもっと過激なエアロロードも出てきていますが、VENGEはそんなエアロ形状の中に「普通のロードバイクに乗っているかのようなペダリングフィール」を落とし込んでいるのが強みでもあります。

自社で風洞を持つスペシャライズドだからこそ辿り着いた境地・・・とも言えるわけですが、

FILANTEはVENGEよりも遥かにシンプルな造形です。

VENGEは当時のUCIルール「1:3規則」の範囲内で、ヘッドチューブ先端~トップチューブ・ダウンチューブの接合部間の距離を可能な限り広げ、括れさせて後ろに受け流す形状を持っています。

FILANTEはこの感覚がVENGEより遥かに短く、一見すると軽量ロードと見間違えてしまうでしょう。

そのくらい特徴らしい特徴が無い形状をしています。

ですが、私はこのフレームワークに、強い既視感があります。

長らく乗り続けてきた、SCOTT FOILに似ているのです。

思い返してみても、FOILとFILANTEの間にはそこまで大きな形状差があるとは思えません。

エアロ形状でゴリゴリに速そうなイメージがあるのは、もちろんVENGE。

でも走らせてみると、FILANTEがVENGEに後れを取っているとは感じません。

向かい風の中を走ったりして厳密に計測すれば数ワットは差が付いているかもしれませんが、少なくとも体感上大きなディスアドバンテージは無いと言えます。

 

さらに付け加えるなら、空力面でFILANTEがVENGEに明確に勝っているポイントが1つあります。

横風耐性です。

FILANTEもVENGEもカムテール形状の部類ではあるものの、VENGEはカムテール後端の角がエッジに近く、斜めから吹いた風からみると大きな壁と仮想することができます。

横から見た時の占有面積も大きいため、横風が吹けばバイク全体が少し押される感覚がありました。

逆に言えば、よほどの突風でもない限り、フロントホイールだけが取られる=ハンドルが取られる動きは、VENGEでは少なかったです。

FILANTEはその逆。

チューブのエッジを大きめに丸めることで、斜めから吹く風に対していなす動きを見せます。

おかげで横風が吹いても、バイクが真っすぐを保とうとしますので、人間側で修正をかける必要があまりないです。

現代のロードバイクの凄みを感じます。

こんな分厚いリムハイトでも、横風をあまり気にしなくていいという、ホイール側の進歩にも触れておきましょう。

私はリムブレーキホイールで、ROVAL RAPIDE CLX50を所有していました。

リムブレーキでリム外幅29.4mmという極太リムを持ったホイールは、後にも先にもこのホイール以外に知りません。

これを使っていた当時も、かなり横風に強い方だと思っていました。

でも、METRON 60 SLと比べると、横風に対するアプローチが違います。

RAPIDE CLX50は、風に一瞬流されるものの、その一瞬で堪える感じ。

METRON 60 SLは、風の流れを利用して、ふらつこうとする自身の挙動を安定させる感じ。

どっちが好きかは好みですね。

RAPIDE CLX50はディスクブレーキ版もあるので、そっちの挙動が好きならMETRONは合わないかもしれません。

 

少し脱線しますが、この両者で明確に違うのは、向かい風になった時の進みやすさ。

METRON 60 SLの方が圧倒的に速く進んでいきます。

これぞ機材ドーピング!っていう分かりやすい変化が、METRON 60 SLにはあります。

縦横剛性のバランスが異常に高い

続いて、ダンシングしてみて横剛性のテスト。

ダンシングしてみると、しっかり横方向にかかる力を受け止める「粘り」と「はっきり分かる推進力」が見られます。

こんな表現を書くと硬そうな印象を受けますが、実のところハイエンドバイクにしてはFILANTEは硬くないです。

硬さを「脚にくる反発の強さ・踏んだ時の応答性、加速性」と言い換えると、S-WORKS TARMAC SL6リムやVENGEといった、S-WORKSの系譜のフレームの方が硬かったです。

FILANTEは硬くはないのですが、一部の方向からの入力に対して硬い、エアロロードらしからぬ性質を持っています。

まるでオーソドックスな丸断面チューブのロードバイクかのように、縦方向の力も横方向の力も満遍なく剛性が働いている印象を受けます。

ここもFOILに近いですね。

FOILもダンシングなどで加わる横方向からや捩じられるような力もしっかり受け止め、推進力に変えてくれる性能を持っていました。

 

こう書くと、

VENGEは横剛性が足りていないのか?

と感じられるかもしれませんが、FILANTEの縦横剛性のバランスが異常に高いのだと思います。

縦踏みでもダンシングでも、どんな踏み方でも進んでくれる。

VENGEは縦方向に踏んだ時の硬さと推進力は素晴らしいですが、横方向の踏力に対してはそこまで推進力に変わっていかないのが特徴です。

初代VENGEから見ればかなり改善されていますが、シッティングでぐりぐりとペダルを回すことが本分のエアロロードらしさが出ています。

同時期にFOILがあれば、良い比較ができたのですがね・・・。

ホイールによっては親指一本が余裕で入ってしまうくらい、ワイドなシートステーの恩恵もあるのかもしれません。

VENGEのシートステーはそこまで幅を稼いでいない設計なので、余計にFILANTEのワイドさが際立ちます。

リムブレーキでここまで広いフレームもそうないですね。

ダイレクトマウントになると、それだけで取り付け幅の制約が生まれてしまいますし。

乗り心地は、良い方だと思う

正直、この見た目でなんとなく

フレーム側が衝撃吸収してくれそうかな?

と思いそうなフォルムをしていますよね。

初代FILANTEは、フレームを構成するカーボンシートの中に液晶ポリマーを編み込んでいるらしく、これの効果で衝撃吸収性をアップしたと言います。

実際、VENGEやこれまで走ってきたバイクたちと同じコースをFILANTEで走ってみると、受ける衝撃の角は確かに丸い気がします。

対VENGE比なので、これは確かです。

VENGEは結構衝撃や突き上げをストレートに伝えてくるバイクでした。

ただ、VENGEの時は違うホイールを履かせていましたし、タイヤも違っていましたから、本当に液晶ポリマーによる効果なのかは断定できません。

ただ、あまり路面の良くない(わだちやひび割れ、わずかな段差がある路面)山のダウンヒルをFILANTEで下ってみると、VENGEよりも確実にバイクが跳ねないな~とは感じました。

これが液晶ポリマーの力なのであれば、なかなか凄いものだと思います。

スプリント級のパワーを掛けた時の「堪え感」はあまり強くない

続いて、本フレームを象徴するであろう、スプリントのフィーリング。

基本的な部分は、先の「縦横剛性のバランス」が活きてきます。

これはつまるところ、入力に対し素直な反応を見せてくれる優等生タイプなわけですが、これが少し厄介なところで。

ホイールの性格に左右されてしまうところがあります。

ぶっちゃけてしまうと、METRON 60 SLとの組み合わせでは、スプリントのさせ方に癖があります。

 

まず、体感としての剛性感から話をしますと、FILANTEの方は力が吸われるような柔さはゼロです。

加えて、フレーム重量の通り、FILANTEはとても軽いです。

フレーム重量870g。

十分軽いものの、当時のハイエンドバイクの対抗馬になるであろうTARMAC SL7やV4Rsなどと比べると、そこまで軽くはないです。

しかし、実際はこの重量から想像する以上にもっと軽やかな乗り味を持っています。

正直、剛性バランスの良さも相まって、VENGEよりもスプリントさせやすいです。

狙い澄ましたかのように踏み込むポイントを捉えないとグッと進んでいかないVENGEと違い、FILANTEはどこからどんな方法でパワーを伝えてもしっかり加速します。

何度も書きますが、FILANTEはトラディショナルな丸断面チューブのロードバイクに近しい乗り味なのです。

それゆえに、ホイールの素性が露骨に「バイク全体の印象」をゆがめてしまいます。

 

もうお分かりでしょう。

私が問題視しているのは、ホイールの方です。

METRON 60 SLで走ると「重い」と感じてしまう理由は、三つあると考えています。

  1. ホイールの性格上、細かな速度変化が苦手
  2. スポークテンションが揃っていない可能性がある
  3. タイヤが重い

 

まず一点目、単純にリムが重たい。

ただ、このパッケージングでプロがステージレースで使用して問題ないとしている以上、少なくとも文句が出にくい構造ではあるはずです。

TLRリムで、内幅は21Cですが外幅は32mmに迫る太さを持ちます。

RAPIDE CLXなどと肩を並べるエアロホイールですから、重くて当然です。

加えて、リムハイト60mmっていうと、一昔前の言い方をすれば「スーパーディープ」の領域です。

スポークが短い分踏み込んだ瞬間に対する反応は早いですが、ホイール全体が加速し始めるまでの時間は、40mmや50mmなどのホイールたちと比べるとどうしても遅め。

速度変化に対する機敏さ・俊敏性はこれらローハイトリムに譲ります。

ここはスーパーディープの泣き所と言えましょう。

そもそも論、スーパーディープリムホイール自体が巡行のしやすさに振った性格ですから、FTPレベルのパワーで気持ちよく走ってくれなかったら困るわけです。

加速がもたつきすぎてまるっきりお話にならないほどではないですが、以前使ったNEPEST NOVA45のようなキレッキレのホイールと比べると、アタック勝負がかかりまくるレースでは、このままだとちょっと使いづらい。

その一方で「巡行性」という観点で見ると、ここはFILANTE 単品では分が悪いです。

それをMETRON 60 SLが補う。

結構理想的な組み合わせだと思います。

別記事で比較しますが、高速域での踏み込みに関してはSES5.6よりも平均的に速く走れてしまうのですが、その秘密は「タレても踏み抜けるくらいの結構扱いやすい剛性感に仕上げられているから」と私は思っています。

 

二点目が、スポークテンションが緩い可能性があること。

最近のハイエンドバイクの中には、自社設計でフレームだけでなくホイールも含めてトータルで空力を追求したフラッグシップモデルが存在します。

空力は形状が全てなので、見て分かる部分であるがゆえに訴求力は強いです。

ですが、その構造を成す細部までしっかり煮詰め切った上で販売されているのかは、注視しなければなりません。

何が言いたいかというと、現状のMETRON 60 SLは「スポークテンションがきっちり均一に揃えられたホイールの走りじゃない」ということです。

今のMETRON 60 SLは、私の中では既視感がある走り方をしています。

所有していた期間は僅かでしたが、リムブレーキのENVE SES4.5を持っていました。

このホイールは、私の中では良い実験体として活躍してくれました。

買って間もない頃のSES4.5は、全体的にぬるすぎて全然走らないホイールでした。

S5があまり加速に強くないフレームであることを差し引いても、です。

フロントは2クロス組なのに地面に突き刺さりそうな錯覚を憶えるくらいハンドリング軸が安定しないし、リアは加速する度にわずかな沈み込みが見られる時もありました。

バカ高いだけで、SESホイールの実力なんて大したことない・・・

と決めつけそうになったほどでした。

そこで、まずスポークテンション調整だけを依頼しました。

テンション値をしっかり揃えて且つ高めに設定し直してもらったところ、購入初期とは打って変わって、とても乗り心地がシルキーで掛かりが良いホイールに化けました。

たしかスポークはCX-RAYを使っていましたが、CX-RAYは細身なスポークなので、剛性にはあまり寄与しません。

しかしながら手組としてオーソドックスな本数(20/24本)が使われており、且つリムもENVE謹製の強固なものを誂えていましたから、全体的な硬さはしっかりありました。

スポークでしなやかさを演出するという手法は、シマノホイールと共通です。

まあシマノはスポークが細い上に本数も減らしてるせいで、あまり硬くないですけど・・・。

 

そして三つ目、タイヤ自体の重さ。

正直に書くと、二番目のスポークテンションの均一化によりタイヤのことなどどうでもよくなってしまったのですが、一応アップグレードできるポイントなので紹介しておきます。

今履かせているGP無印ですが、立派なトレーニングタイヤなんですよね。

28Cの重さは実測293g。

VITTORIAのラテックスチューブが75gくらいあるので、外周部だけで370gほどですか。

そこにこの太いリム。

多分500gくらいはあるでしょうけど、最近の中華カーボンホイールみたいにリムサイドがペコペコする感じは全く無し。

それだけリムをしっかり作っているという証拠でもありますが、空力を良くすることだけ考えてリムもタイヤも重くしていいよね、というのは重量増加の免罪符にはなりません。

正直このホイールだともっと軽いタイヤの方が良いはずです。

今持っているタイヤで一番軽いのは、P ZERO RACE TT 26C

これに、乗り心地が良いTPUチューブとして去年のシマノ鈴鹿前に買った、GUEE AEROLITEを入れて実験してみました。

本当に走りが軽くなるのか?

どうなったかと言いますと、ペダリングとホイールの動きがリンクしなくなり、ぎくしゃくした走りになりました。

タイヤとチューブの合計が250gもいかないので、一気に120gくらい軽くなっているのですが、スカスカした加速感と踏み心地になり、なんともスピード感のない走りになってしまいました。

要因としては、以下の二点が考えられます。

  1. タイヤ幅26Cが内幅21Cとマッチしていない(28Cタイヤ比)
  2. TPUチューブの固さが良くない方向に働いている

1つ目は、METRON 60 SLが28Cに最適化された設計なのに、それより細いサイズのタイヤを履かせたこと。

RAPUDE CLX50など一部の内幅21Cホイールが24Cや26Cから推奨していたことから、その幅でも履けることは確認が取れていたのですが、「内幅21Cが24C~26Cタイヤと相性が良いのか」というところまでは見ていませんでした。

恐らく内幅に対してタイヤの形状が最適な形になっておらず、タイヤが潰れ気味になって縦方向の入力も衝撃ももろに伝える構造になっていたためでしょう。

TPUチューブを使ったのもミスポイントでした。

TPUチューブはブチルチューブやラテックスチューブよりも、変形しにくい性質を持っています。

去年シマノ鈴鹿でこのチューブを使いましたが、サーキットのようなほぼフラットな路面でも、ペダリングの入力に対しダイレクトすぎるくらいペダリングパワーの波を反映して、ブチルやラテックスなら感じられる「パワー伝達がほぼゼロに近づく下死点付近でも自然に進んでいく感」があまりに薄すぎるのです。

これはやりすぎた。

せめてCORSA PRO SPEEDに変えるくらいに留めておけばよかった・・・。

まあしかし、結論としては、二番目のスポークテンションが支配的過ぎて、タイヤとチューブは今のままでも良いってことに落ち着きました。

 

しかし、タイヤの軽量化については最近皆あまりうるさくないですよね。

それこそリムブレーキが全盛の時は、ブレーキ面の強化分だけリム重量が嵩むので、タイヤを軽くして機動性を上げるのが定番のカスタムでした。

ディスクブレーキホイールはリムを挟まないからリムは軽くできるとはいえ、RAPIDE CLXのように空力をさらに重視した設計のリムも出てきたから、なんだかんだでリムが占める重量はあまり変わりません。

その上でタイヤに求められるグリップが数段上がっているので、太さも相まってタイヤ側もそれなりの重量が必要です。

理屈は分かるんですが、それと重量をトレードオフしていいとは思えません。

ようプロはこれを受け入れたな・・・と思います。

スポークテンションを整えたら、化けた

さて、先の項で書きました、二番目の「スポークテンション」の話。

同じホイールでも、スポークテンションを可能な限り綺麗に揃えることができれば、そのホイールが持つ性能をかなり高いレベルまで昇華させられることを理解しています。

もしかしたらMETRON 60 SLもそんな状態に近いかもしれないと考え、当時依頼したビルダーさんにこのホイールを送って、スポークテンション調整してもらいました。

送ってもらってから何度か愛知池を周回し、定点観測してみました。

結果、狙い通り良くなりました^^

踏んでから加速が始まるまでのタイムラグは、リムもスポークも何も変えない限り完全には解消できませんが、十分にレースで使えるレベルにまで小さくなっています。

正直、調整前のMETRON 60 SLはもたーっとした、なんとも粘っこい感じの加速感だったので、それで以て「昔乗っていたFOILに似ている」と感じていたようです。

でも調整後のMETRON 60 SLは、見た目以上にキレもあるし、スプリントの加速も問題なく使えるレベルになっています。

下死点を越えてからのもう一押しのアシストが僅かながらあるので、見た目の割にスピードは乗せていきやすいですね。

また、わずかに感じていた後輪の沈み込み感も消えました。

不思議なのが、

  • 後輪が若干ながら沈み込むのが分かるくらいスポークテンションが低めな場合
  • スポークテンションが高くても均一な場合

この二者を比べると、同じタイヤ、同じチューブ、同じ空気圧に設定しても、後者の方が乗り心地が柔らかく感じるのです。

クリンチャータイヤで言うと、適正空気圧から0.5barほどエアを抜いたかのような、大げさではなくそれに近いくらいの変化です。

乗り心地を良くするためにこれだけ空気を抜くと、走りが重くなってしまいますが、そうではない。

参考までに書いておきますと、スポークテンションの平均値は調整前で下記の通りでした。

  • フロント:右側102.2kgf ± 12.2% 左側91.3kgf ± 16.3%
  • リア:右側107.5kgf ± 22.0% 左側97.8kgf ± 10.0%

調整してもらった後の数値がこちら。

  • フロント:右側111.7kgf ± 2.6% 左側105.6kgf ± 2.1%
  • リア:右側126.8kgf ± 3.5% 左側125.7kgf ± 4.4%

どうでしょうか。

2:1組のおかげでスポークテンションの左右差はほぼ無しなのは驚くところではないですが、テンション値のばらつきが5%未満に収まっているところが注目ポイント。

スポークテンションがばらつき少なく揃う事で、振れが出にくく、駆動ロスが減り、一部だけテンションが高いせいで変な突き上げが無くなる結果乗り心地が良くなる、そうです。

まさにその通りの結果になっています。

スポークテンションが高くなっている分だけ脚への反発は少し増えていますが、タイヤとチューブで相殺できるくらいの差です。


【まとめ】

最後に、まとめ行きましょう!

今回のテーマは以下の通り。

【レビュー】WILIER FILANTE SLR【リムロードに肉薄するディスクロード】  でした。

そして、本稿の結論は

この一台で、全てが完結した

これですね^^

ディスクロードに各社が完全に切り替わって、早10年が経ちます。

FILANTE SLRも、登場から今年で5年を迎えますが、それでもなお一線級の性能を持っていることが感じ取れました。

そしてそれ以上に、ディスクロードの”硬そう”というイメージが、この世代あたりを境目に無くなりつつあると感じました。

私自身、去年の暮れまでリムロードに乗っていました。

最後まで乗っていたのがこの赤色のMADONE GEN6でしたが、リムブレーキ最後の真っ当なエアロロードとして、もうこれ以上は届かないであろう熟成の領域に入っていたバイクです。

硬い、意外と軽い、エアロ抜群、乗り心地も良い。

ブレーキ調整が難儀でしたが、乗っていてバランスの取れた良いバイクだったと思っています。

 

それ以上の進化を遂げているのが、現代のディスクロードです。

未開の地だっただけに、ディスクブレーキの制動力を過大評価した各社が、ホイールをとかく固くし、フレームエンドも固くした、ガッチガチのバイクが多かったですが、

既に、そんな時代は過去に置き去りにされていた・・・。

今のディスクロードにあるのは、左右バランスの良さ、しなやかさ、軽さ、そして走行性能を簡単に両立できていた、「リムロードへの回帰」です。

それはすなわち、強力な制動力を手に入れた、リムロードライクなディスクロードの誕生を意味します。

これが、FILANTEに乗ってみて感じた全てです。

どこか懐かしささえ感じました。

変な硬さがない、どこか一部だけ硬いという感触が無いのが、こんなに走りやすさに繋がるのかと。

ディスクロードの制動力と横剛性の高さに慣れた今、私は

もう一度リムロードに戻りたいか?

と聞かれると・・・少し迷ってしまいます。

VENGEを買った去年は、嫌ならすぐに売ってやる!くらいの気持ちで買ったんですけどね^^;

ただ、迷うのには明確な理由があるのですが、これを書き始めるとまた記事が一本出来上がってしまうので、ここでは割愛します。

 

しかしながら、METRON 60 SLだけしかレース用ホイールが無いわけではありません。

大一番はこのホイールでいきたい!と考えるもう一つのホイール、「ENVE SES5.6 TU」があります。

次回は、こっちを履かせたインプレッションを書いていこうと思います。

 

・・・外に出て走れる時間が取れればですが^^;

 

以上、参考になると嬉しいです^^

それでは今日も、ありがとうございました!

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