こんにちは、コウです^^
それでは今日も元気よくやっていきましょう!
本日のテーマはこちら。
【さよならNEPEST】NOVA45を手放した理由【何があった?】
こういうテーマでやっていこうと思います!
まあ、書いている通りなんですけどね。
NEPEST NOVA45を手放しました。
たった3ヶ月の命でしたが、あれだけ絶賛・・・したつもりはないですが、良いと思っていたホイールを手放しました。
色々と勉強させてもらえたホイールだったと思っています。
NOVA45は、今年のシマノ鈴鹿ロードレースの前に急遽導入しました。
そこからトレーニング、レース含めて2000キロは走り込みました。
この当時は「異次元の体験」がずっと印象に残っていたことから、メリット面を押しだして記事を書いていました。
その後もこのホイールで走り回り、色々感じ取ってきました。
今でも「NOVAは良い」と思う部分は確かにあります。
ですが、それを上回る「NOVAの足りていない、悪い部分」も同時にあり、結果的に使い続けるには至らないと判断し、手放しました。
先に結論を書いておきます。
中華カーボンは”値段なり”の品です。
そう感じた経緯を今回は書いていこうと思います。
看板商品として店長自ら色々試して発信されているお店もありますが、長期レビューを載せるお店は多くありません。(LUNを推している某店舗の店長様は凄いと思っています)
中華カーボンホイールに興味がある方は、ぜひ参考にしてみて下さい^^
【NOVA45の良いと思うところ】

NEPEST NOVA45の細かいスペックはホームページに任せるとして、私が感じてきた、このホイールの良い部分を書き連ねてみます。
と言っても、基本的に前回の記事がほぼそのまま「良いところ」をまとめたものになっていますが。
- 物理的に軽いので軽量化にそのまま繋がる
- 発進の挙動が軽い=加速があるシーンでは常に恩恵を受けられる
- 上りのような高負荷領域でも脚に負荷が返ってきにくい=長く踏み続けられる
1番は、スペック表を見て真っ先にイメージしやすい部分だと思います。
最近の中華カーボンホイールは、とにかく軽いものが多いんです。

私のVENGEは、サイコンやペダル込みのこの状態で7.5キロです。
クランクくらいしか特に軽いパーツを使っていない状態で7.5キロまで持って行けたのは、ほぼNOVA45のおかげです。
50ミリハイトで1200gしかないというホイールも出てきた中で、45ミリハイトで1200g前半というのはインパクトが薄いかもしれませんが、十分すぎるくらい軽いです。
続いて2番と3番。
カーボンスポークによる反応の早さと、軽いリムによる圧倒的な加速の良さ、それを硬すぎない味付けで実現できている。
これがこのホイールのバリューだと思います。
加速が早いだけ、反応が早いだけのカーボンホイールはごまんとありますし、この二つの要素を掛け合わせたホイールも中華カーボンホイールの中には多くあります。
しかし、「硬すぎない」という要素も組み合わせた途端、一気に残れるホイールは減少します。
そんな中において、NOVA45はこの三つの要素の掛け算を初めて成立させた中華カーボンホイールだと思っていました。
【NOVA45の悪いところ】

さて、ここからが本題です。
NOVA45に足りていない要素とは、一体何か?
それは、前章で挙げた3項目以外の全て、です。
それに気づかされたのは、
ギア構成の検証テストで、コスアルを久しぶりに使った時です。
コスアルはトレーニングで使うには勿体なすぎるので、普段はしまっていたのですが、この検証の為に出したんですけどね。
この記事ではあくまで「加速性能」というホイールの一要素しか見れていなかったのですが、あの後コスアルを履かせたMADONEで久しぶりにアップダウンのあるコースを色々走ったんですが、とても快走だったのを今でも覚えています。
その時に感じた、コスアルとNOVA45の各性能をまとめてみました。

何を以てして点数付けしているのか?
というところですが、特に基準となるホイールが無いので、各項目のポイント数そのものにあまり意味はありません。
重要なのは、コスアルとNOVA45の間には、各項目においてどのくらいのポイント差があるか、です。
ずっと気になっていた「横風に対する弱さ」
NOVA45は、リムの設計値で見れば最先端のスペックを誇ります。
内幅は今のTLRリムのスタンダードになりつつある、内幅23mm。
外幅も30mmはありますから、アスペクト比1.5と、横風に対してとても強そうです。
リムの内幅と外幅だけ見れば、先に登場したAEOLUS RSLと同格です。
MADONE9が登場した時代のAEOLUS3/5/7の頃から横風耐性への研究を謳っていた、あのAEOLUSホイールと同じスペックです。
ここだけ見れば、なんかすごく良さげに見えますよね。
私もそう考えていました。
というか、新しいホイールを早く仕入れないといけないと考えていて、そこしか見えていませんでした。
今のTLR対応リムは、空気抵抗的な面でとかくリムとタイヤが綺麗に繋がっているかを求められるので、28Cタイヤを履かせたときに105%ルールに収まるかが注目されます。
23mmリムだと30~31mmの外幅であればだいたい105%に収まりますから、こぞってその数値になるよう設計したホイールで溢れています。
実際タイヤとリムの繋がりは空気抵抗や横風耐性を司る要素なので、ここはインフルエンサーやショップの方がよく宣伝するポイントだと思います。
で、じゃあNOVA45は横風の中を走ってみるとどうかというと
めっちゃ横風で煽られます。
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このホイールを買う前に試乗させてもらった、MAVICのCOSMIC SLR 45。
こちらは旧型で内幅19mmのリムですが、こっちの方が断然横風で煽られなかったです。
長い下りで(自主規制)キロ以上出している時に隣を車が通っても、挙動が読める程度の小さい軌道修正で済むほどにハンドルがびしっと安定していました。
天邪鬼出さずに素直にこれを買っとけばよかったと、今の時点で後悔しています・・・。

こういった周りに障害物が何もない吹きっさらしのエリアを走るとよく分かるのですが、向かい風の中は勿論、横風が吹こうものならハンドルを押さえつけていないとすぐ持っていかれます。
ぶっちゃけ、昔のゾンダやキシリウムに25Cタイヤを履かせていた時のような勢いで持っていかれます。
考えられる要素は二つ。
- リムハイトに対しリム重量が軽すぎる
- リム形状が悪い
特に、後者が支配的だと考えています。
空気の流れは物理的なものですから、形状によって決定されます。
内幅23mmだとか外幅30mmだとか、もっと言えばリムハイトといった要素は「如何に空気を上手に受け流すか」を突き詰めた結果として得られるリム形状を語る上での「単なる情報」でしかないのです。
もう手元に無いので詳細な形状は言えませんが、NOVA45はそこまで凝ったリム形状ではなかったのは確かです。
なんにしても、風邪が強い地域を走っている身としては、このハンドルの振られやすさは許し難いものがありました。
それが決定打になったと言っても過言ではありません。
下りが伸びない
空力の話ついでにもう一点。
LUN HYPER R45とR67もそうでしたが、NOVA45は下りのスピードがあまり伸びません。
これはシマノ鈴鹿ロードレースに持ち込んで初めて発覚したことですが、周りは脚を止めているシーンでも、私は脚を軽くだけど回していないといけない場面が多かったです。
去年はCERVELO S5とVISION METRON55(前だけ)で走りましたが、同じ場所を走った際、逆に脚止めて楽していました。
カーボンスポークって、高速域が伸びていかないのでしょうか?
特に空気の壁を感じるわけでは無かったのですが・・・。
なんとも説明しにくいんですけど、多分慣性が働きにくいんでしょうね。
短い下りなのに割と差が開いてしまう事が多かったので、車間が開かないよう変に気を使って走っていました。
これがオールラウンド系のバイクならともかく、エアロロードであるVENGEに履かせての話なので、VENGEのエアロ性能をスポイルしていると感じていました。
スッと通らないアクスル

割と地味にイラっとするのですが。
フロントハブのスルーアクスルが、スッと通らないんです。
リアはすんなり通るんですが、なぜかフロントだけが綺麗に通りません。
外見は綺麗ですが、中身の加工精度はいまいちなのかもしれません。
CL50やSAT C60 SL2ではこんなこと起きなかったので、地味ながらずっと取り付けの度に少しイライラする羽目に遭っていました。
それも手放したくなった理由の一つでもあります。
【メーカーとしての信頼性は無いに等しい】
これはNEPESTに限った話ではありません。
最近流行っている中華カーボンメーカー全てに言える話です。
NEPESTとYOELEOのホイールを実際に買っているからこそ言える話でもあるのですが・・・。
YouTubeやインスタグラムなんかで簡単に中華カーボンの話を入手できるし、実際中華カーボンを専門に扱うショップができてしまう時代だから、結構気軽に買えちゃいますよね。
そんな時代だからこそ、今使っている方、これから買おうと思っている方には、是非読んでほしい話です。
今日本に進出してきている中華カーボンのメーカーって、率直に言って「ちゃんとした会社」としてまだ信頼できないし、その製品を信用して使い続けられない領域にいます。
どのメーカーも、元々は一流メーカーのカーボン製品をOEMで作っていたとか、一流メーカーのエンジニア達が立ち上げたとか、そんな生い立ちでスタートしています。
そしてどれもこれも、やはり先に立つのは「安さ」。
そして見かけのスペックは凄まじいんですよ。
このスペックでこの値段!?コスパ最高!!
というインパクトを狙うには、カーボンスポークのホイールは打ってつけだと思います。
というか格好の的になっているようにも見えます。
だけど・・・
だけど、ですよ?
ロードバイクで「ここが走っていて壊れても最悪大丈夫」って言えるパーツって、いくつありますか?

私は、ボトルゲージくらいしかないなと思っています。
ロードバイクのパーツって、よく名前を聞くメーカーのものであっても破損した事例って海外も含めるとしっかりあるんですよ。
で、破損に至った背景を知る事が大切なんですね。
割と不適切な使い方をしているとか、想定外の荷重がかかって壊れたとか、どこに破損の要因があったのか?ってことです。
そこからもう一歩踏み込んでロードバイクのパーツを考えていきますと、実はどのパーツも信頼がおけるものでなければならないことに気づくはずです。
何故かというと、安全に走ることができてこそ、初めてトレーニングができるし、楽しくライドできるからに他なりません。
少し脱線しますが、この考えのベースになっているのは、自動車の製造現場で学ばれる「リアルKY」という考え方です。
KYとは、空気を読む・・・というのはもう死語ですね(笑)
KY、危険予知 のことです。
あらゆる視点から、どんな危険が予測されるのか、それに対する対策として、自分は何ができるのか?という考えをはぐくむトレーニングがあります。
それを潰しこんでこそ、安全な製造、生産活動ができて、品質や生産効率が付いてくる、という理論なわけです。
これをロードバイクに当てはめてみると、どうでしょう。
怪我に繋がる可能性があるパーツだらけであることが分かると思います。
特にホイールとフレームの信頼性は、殊更大事だと思うんですよ。
フレームがバラバラになるようなことってそう無いですけど、でもそれが起きたら?
例えば、カーボンの成形が甘くて、チューブの接合部分が剥がれてきて、バゴッとチューブ同士が外れてしまったら、割と簡単に大怪我に繋がるじゃないでしょうかね。
行くところまで行けば死にますし。
簡単に死ねた方がましかもですね、最悪は植物人間です。
ホイールも同じでして、これもまた大怪我や重篤な事態が比較的身近に存在するんですよ。
クランクはどうでしょう?
最近だと、シマノの9000/R9100系のクランクがリコールを起こしたのは記憶に新しいと思います。
シッティングなら「なんか変だな?」で済むところですが、ダンシングやスプリント中にあの接着剥がれからクランクがベロンとめくれてしまったら・・・?
まあ、恐ろしい事態になることは容易に想像がつきましょう。
単独で怪我するだけなら、まだいいですよ。
これがレース中に起きたら?
巡航中ですら落車することがあるのがロードレースです。
アタック合戦やスプリント、下りなど、危険な状況はいつでも起こり得ます。
そんな時に落車が起きたら、後続が巻き込まれるのは避けられません。
このように、ロードバイクは無いといけないパーツだけでできていますから、状況によっては簡単に大怪我に繋がります。
そうならないために、メーカーは生産現場において厳格な品質管理を取るわけです。
だからこそコストがかかる。
ブランド料というものも当然存在しますが、安全を守るために多額の投資をするのもまたメーカーの仕事でもあります。
だけど、中華カーボンのメーカーって、そんなのお構いなしなんですよ。
最初に出てきたELITEWHEELSやWINSPACEは今でこそその地位を確立していますが、実はWINSPACEのフレームも、歩道の段差から降りた程度の衝撃でフォークが折れたという話があります。
もちろん一流メーカーでもそんな話はありますが、母数が多い中での1件と、まだ出たての母数が少ない中での1件では、重みが違います。
それに加えて、新興の中華カーボンメーカーはインフルエンサーありきでマーケティングしています。
インフルエンサーって、自転車競技で成績挙げて飯食ってる選手じゃない、ただの一個人なんですよ。
その機材が原因で事故が起きたとか、乗っていた選手が怪我をしたとか、その事故で他の重要な選手が巻き込まれてしまったとか、そんなことがあってはならない状況に立っている人間が乗っているわけじゃないんですよね。
何が言いたいかは、皆まで言わなくても分かりますよね?
だからこそ、今ツールを走れているメーカーにはそれ相応の「ブランド」が付いていると言えるのです。
今も新たに生まれている色んな新興メーカーを、手放しに喜んで迎え入れられますか?って話です。
品質以前の問題にだってかまわず突っ込んでいくところもあります。
最近、商標登録の侵害の件で日本から締め出しを喰らった「EVOLVE」って中華メーカーがありましたよね。
あの件は関係各所の動向など色々聞いておりますが、ここには書けません。
一つ言えることは、日本で先に商標登録を取っている会社が存在していることを知りながら、平然と幅を利かせにやってくる中国企業が今も存在するという事実です。
まあ滅多な例ですけども。
日本に代理店があるから信用できる、というわけでもないですしね。
あと、よく中国メーカーは新製品を出した時「UCI登録取っています!大丈夫です!」とアピールしていますが、UCI登録って品質管理がしっかりされていて安心っていう保証ではないです。
あれはUCIのレースに出るために使っていい機材として認定を受けたという証なだけで、金払えば取れます。
・・・ちょっと熱くなりました。
私も個人的に中華カーボンパーツは何個か使ってきたので、これまで「中華カーボン」と呼ばれるものがどんな扱いを受けてきたのかも見てきました。
個人輸入で細々と楽しむようなパーツに留まっていたのですが、普通にプロのレースでも中華カーボンが浸透してきています。
「安く良いものを買いたい」という消費者心理は、私もよく分かります。
だけど、一見大丈夫そうな雰囲気を見せつつ裏では何しているのか分からない企業の製品を平気で買えてしまうことについて、大丈夫なのかな?と思っています。

ついでに、新興メーカーのあり得ない話関連でもう一つ、私の事例を書いておきましょう。
NOVA45を買うまでは、YOELEOのSAT C60 DB PRO NXT SL2(名前長いんじゃボケ)というホイールを使っていました。
実はこのホイールは元々新古品で、メーカーサイトから直接買ったものではありません。
とはいえ途中まではメーカーサイトから買おうか悩んでいたので、カートに突っ込んだままだったんですよ。
その時点で、住所や電話番号といった個人情報は入力していたものの、そのページとはいわゆる「入力確認用のページ」ではなく、その1つ前の「住所や名前などの入力用ページ」のまま止めていたんです。
すると、YOELEOからメールが来たんですね。
コウ様(実際は本名)、ご検討中のホイールについて何かご不明な点はございませんか
と。
原文ママです。
そのメールは今も残してあります。
しかもこれの何が恐ろしいかって、YOELEO JAPANから来たんです。
日本にある代理店が、まだ情報入力する段階のページの時点で個人情報をすっぱ抜いてきたことに対し、驚きを隠せませんでした。
私はECサイトの作りには疎いので、Amazonも楽天市場もヤフーショッピングもそんな作りになっているのかもしれませんが、そんな軽々しく個人情報を抜いてメールを送り付けてくるなんて、なんちゅうところだ・・・と思ったのは今も覚えています。
NEPESTも同じことをしていたようです。
【まとめ】
最後に、まとめ行きましょう!
今回のテーマは以下の通り。
【さよならNEPEST】NOVA45を手放した理由【何があった?】 でした。
そして、本稿の結論は
インフルエンサーが勧める商品は、気安く買えない
これですね^^

シマノ鈴鹿ロードレースや、その前哨戦の草津ナイトレース、そして唯一のエンデューロレースでのスプリント勝利など、NOVA45が持つ性能にお世話になった部分は多いです。
だけど、これをレースで今後も使い続けたいか?というと・・・やはりどこか納得いかない自分がいました。
私がこうしてブログ執筆のためにパソコンをカタカタさせている部屋の壁に、VENGEとMADONEとピストが掛かっているんですけども。
振り向いてVENGEを見る度に、何と言うか、
レース機材として、あるべき姿じゃない・・・
と思っていました。
そんな自分の気持ちに嘘をつき続けたくないと思ったので、ついに手放してしまいました。
だけど、こういう中華カーボンの存在があるからこそ、自転車界隈が存続しているっていう事実もありますし、自転車を続けられるっていう考えも分かります。
今のご時世、何でもかんでも値段が上がっています。
ハイエンド級の製品になると、昔の同格パーツだったら2セットは買えそうな勢いで値上がりしています。
ハイブランドなメーカーは除きますが、10年前はまだデュラエース組でも完成車が100万切っていたのに、今は簡単に200万円を越えます。
シマノは殿様商売を辞める気はないらしく、未だに少しずつ値上げするせこい手をずっと続けていますし。(中国向けパーツが全キャンセルになって大打撃喰らっているようですけど)
そんな中で、普通に走るだけならBORA ONEとかレーシングゼロ並みの性能を1/3のコストで実現できるホイールがあるなら、その方が良いって思うのは自然な反応だと思います。
いわゆる「コストパフォーマンス」ってやつですね。
限界まで使い込んだ先でもBORAと同じ性能かどうかは知りませんけど。

ところで、今VENGEにはNOVA45しかホイールを与えていない状態なんですね。
そうなると、VENGEは不動車になってしまうわけです。
それはそれで困るので、新たなホイールを探さないといけません。
せっかくディスクブレーキの設計を活かせるならその方が良いのですが、良いものはやはりそれなりの値が張ります。
ここがディスクロードのイケてないところで、とかく何かパーツを変えたいと思った時の導入コストが高すぎます。
さてどうしたものか。

んん??
ということで、これの続きはまた次回!
以上、参考になると嬉しいです^^
それでは今日も、ありがとうございました!


