こんにちは、コウです^^
それでは今日も元気よくやっていきましょう!
本日のテーマはこちら。
【検証シリーズ後編】ROVAL RAPIDE CLX50の後輪をもっと走る形にします【完組ニコイチ】
こういうテーマでやっていこうと思います^^
・・・なにやら不穏な面白そうなワードが並んでいますね。
昨年の秋口に入手した、スペシャライズドのROVAL RAPIDE CLX50。
当時の記事にて、のむラボで改造を受けている旨を書いています。
その後MAVIC「COSMIC CARBON ULTIMATE」を入手しましたが、基本的に出番はRAPIDE CLX50ばかりです。
そんなホイールを、今回魔改造してみよう!という趣旨の記事になります。
もはや何の参考になるのか分かりませんが、個人的にやってみたかった「完組ホイールを別のパーツで改造する」というネタです。
こんなこともできるんか~
程度に、参考にしてみて下さい。
前回の記事はこちらからどうぞ。
【RAPIDE CLX50+フルクラムハブ ここに爆誕!】
ということで、早速本題。
ホイールができました!
ROVAl RAPIDE CLX50リム + フルクラムハブバージョン
世界広しと言えど、補修目的以外で実践事例があまり見かけない「性能向上を目的とした完組ホイールのハブ換装」カスタムが施されたRAPIDE CLX50の誕生です。
組み換え作業を依頼しましたビルダー様にはとても感謝しております。
早速見た目の変化から比べていきましょう。
ビフォー。
アフター。
もはや純正の面影を微塵も感じませんね(笑)
ハブはカンパ謹製のCULTベアリングなので、耐久性と回転性能を両立しています。
ハブの組み替えに当たり、スポークも変えています。
- ドライブ側スポーク:DT AEROLITE → SAPIM CX-SPRINT
- 反ドライブ側スポーク:SAPIM CX-SPRINT → PILLAR WING21
ドライブ側のスポークを、反ドライブ側より比重が大きい「CX-SPRINT」に交換しました。
のむラボさんで言うところの「左右異径組」です。
スポークの重さが剛性に直結するのは、のむラボホイール2号にて経験済みです。
特に手組ホイールに対しスポーク本数が少ない完組ホイールには有効な一手ですね。
フルクラムホイールは基本的に左右同径スポークですが、そこにも手を加える形になりました。
ちなみにカンパニョーロホイールの場合、今回の魔改造RAPIDE CLX50のように、反ドライブ側のみ少し細いスポーク≒比重が軽めのスポークを使っています。
ただ、2:1の割には反ドライブ側スポークテンションが低い気がしないでもないですが・・・。
前回は結線していましたが、今回はしていません。
個人的な注目ポイントは、アルミ製かスチール製のフリーボディを「安く」選べるようになったことです。
DTSWISSにもスチール製フリーボディはありますが、カンパ・フルクラムの倍の値段を要します。
経済面においては、カンパ・フルクラムハブの方が有利です。
供給されるパーツも圧倒的に多いです。
カンパ・フルクラムホイールは7年ほど前から、シマノスプロケット向けのフリーボディにアルミを使うようになりました。
ホイールメーカーの中にもアルミ製フリーボディを標準採用するところは多く、ROVALホイールもその例に漏れず純正でアルミ製フリーボディです。
ここがアルミになるだけで、スチール製フリーボディと比べると数十g軽くできます。
ホイール重量全体で数十gの軽量化ってなかなか難しいですからね。
良い響きに聞こえますが、当然デメリットもあります。
フリーボディにスプロケットが食い込んでいきやすくなります。
特にシマノHG準拠のフリーで起こりやすいです。
なぜか?
まずシマノフリーは表面に立てられたスプラインの高さが低いです。
カンパの半分以下しかありません。
加えて、シマノスプロケットは真ん中からトップギアにかけてコグが単品で装着されるため、ペダリングでチェーンに引っ張られると、コグの超狭い面積とフリーボディのスプラインのごくごく狭い面積で何百W~1000W超のパワーを受け止めることになるのです。
唯一スラムだけが、大手三社の中でワンピースのスチール製スプロケットを作っています。
異常な軽さを誇る、REDのスプロケットです。
ロックリング側のトップギアのみ別体で、ロー側もアルミの焼き板を加工したものをヒンジピンで固定しています。
それ以外の中身は鉄のインゴットから全部削り出しているので、重量はデュラエースより軽い上に、よく使うロー寄りのギアがスチールなので耐久性が段違いです。
デュラエースはロー寄りのギアがチタンなので、チェーンの食い込みが激しい上に摩耗が進むと割れてしまいます。
この構造なら、スプロケットとフリーボディのスプラインとの接触面積を最大化できるので、アルミ製フリーボディでも食い込みにくくなるはずです。
NOVATECなどはスプラインの一ヶ所に「A.B.G.=アンチバイトガード」という鉄板を追加して食い込み対策を取ったアルミ製フリーボディを出していますので、選べるならそちらを選ぶ方が無難です。
もちろんスチール製フリーボディにしたからといって絶対食い込まないわけではないと思いますが、少なくともスチール製とアルミ製のフリーボディを同じ距離使い込んだ時、スチール製フリーボディは食い込まずスルリとスプロケットを外せます。
なので確実に差があります。
ちなみに悪い発想ですが、「選べる」ということはレースの時だけ意図的にアルミ製フリーボディを使うことも可能です。
この世代のフルクラムハブは、今のカンパ・フルクラムハブで起きている「新シャフトだいばくはつ事件」とは無縁の構造でもあります。
交換が容易に行えるようになる、メンテナンスが簡単になる、次のメンテナンスまでの時間が延びるのも良いですね。
ROVALハブはDTSWISS製でスターラチェットを搭載しています。
歯の掛かる角度を選べる、ハブ単体として見れば幾分か軽量であるというメリットはありますが、スターラチェットはメンテ後からの美味しい時期が短すぎるという明確なデメリットがあります。
そしてスターラチェットは、脚を止めた時の空転時の抵抗が大きいのもミソ。
この辺もカンパ・フルクラムハブの3爪構造の方が有利です。
ちなみにアルミ製フリーボディを選びたい理由は、単純に重量面のアドバンテージを得たいからです。
組み換え前の純粋なRAPIDE CLX50の重量は「784g」。
フルクラムハブに変わって「859g」。
約80g増加しています。
たった80gでメンテ性も剛性も手に入れっちゃっているので痛くもかゆくもないですけど、選択肢として軽くできるならしてみたいわけです。
もちろんこれは比重が重いスポークに変わった影響も受けていますが、大部分はスチール製フリーボディを備えたフルクラムハブの影響です。
だいたい40gの軽量化が見込めます。
【インプレッション ハブとスポーク交換で剛性は変化したのか?】
完成した後輪をバイクに取り付けます。
スプロケットは、シマノと互換性があるスラム「RED XG-1190 11-28T」にしました。
実はさっき
唯一スラムだけが、大手三社の中でワンピースのスチール製スプロケットを作っています。
異常な軽さを誇る、REDのスプロケットです。
と書いたのは伏線です(笑)
シマノの11-28Tスプロケットにしなかったのには理由があります。
シマノとスラムの歯数構成の違いです。
購入したのは赤文字のものです。
- 11-25t:11,12,13,14,15,16,17,19,21,23,25
- 11-26t:11,12,13,14,15,16,17,19,21,23,26
- 11-28t:11,12,13,14,15,16,17,19,22,25,28
- 11-30t:11,12,13,14,15,17,19,21,24,27,30
- 11-32t:11,12,13,14,15,17,19,22,25,28,32
ここで、シマノ CS-R9100の歯数構成を見てみます。
- 11-25t:11-12-13-14-15-16-17-19-21-23-25
- 11-28t:11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28
- 11-30t:11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30
- 12-25t:12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25
- 12-28t:12-13-14-15-16-17-19-21-23-25-28
シマノはローが19-21-23と細かいのに対し、スラムは19-22と1つ飛ばしています。
で、スラムは1つ余ったところに16Tを入れています。
これが重要でして、16Tコグはレース中の平地巡航で非常に重宝します。
ローを細かく変えたいと思わない私のような人にとっては、非常に有力な選択肢になります。
シマノ鈴鹿では16T欲しさに11-25Tを入れて自爆してしまったので、今年のシマノ鈴鹿は28TまであるXG-1190が使用機材筆頭候補に挙がってきます。
ただ変速性能はシマノに分があるというのも事実。
人生初スラム、変速性能は如何に?
スプロケットをつけてしまえば、一見すると普通のROVAL RAPIDE CLX50のように見えます。
でも全然スポークの軌道が異なりますので、分かる方が見れば即バレます(笑)
もう一度反対側から。
後輪だけ赤いハブになっているので、ここでROVALホイールユーザーさんであれば
あれ?
となること請け合いです。
慣れ親しみつつあるS-WORKS TARMAC SL6でインプレッションしていきます。
今回はとある依頼により、タイヤをパナレーサー「AGILEST FAST 28C」に換装しました。
RAPIDE CLX50の内幅21mmに対し、実測29.7mmです。
TARMAC SL6は2017年登場のリムブレーキモデルで、シェル幅68mmに近いOSBBのくせしてタイヤ幅30Cを飲み込める変態設計なので、余裕で入ります。
ではいきましょう!
加速性、反応性が良すぎる!
一番気にしていた、加速性および反応性はどうか?
結論から申し上げますと、これ以上無いほどCLX50が良くなりました。
後ろから蹴っ飛ばされるほどのグワッとくる感じはないですが、踏んだ瞬間に即スピードに変換されます。
それ以上でもそれ以下でもない、加減速の入力とその時間軸に対しとても忠実なホイールに生まれ変わっています。
加速し始めるまでのタイムラグがかなり短くなりました。
また特に顕著な変化は、横剛性の向上です。
ダンシングで倒し込んでいった時、しっかり踏ん張って耐えてくれているのを強く感じます。
組み換え前も純正状態ではなかったものの、もう少し踏ん張りが欲しいと思う節が多々ありましたから、大きな変化です。
それが楽しくてずっとダンシングしてると、だんだん脚が辛くなってきます。
剛性が高くなった分、脚には相応の負荷が乗ってきていると思います。
1200Wレベルでスプリントしても、シュータッチは皆無です。
通勤ルートでテスト
4月から始めた自転車通勤。
週2回で体を慣らしていますが、機材テストもできるので結構重宝しています。
普段はのむラボホイールに、Challenge「ELITE」というチューブラータイヤを付けて走っています。
走りは重めですがグリップが結構良くて乗り心地も良いトレーニングタイヤです。
通勤経路上には獲得標高約300mになる上りが何か所か出てきます。
片道30km。
ほとんど毎回TTとスプリントを織り交ぜた走りをしていますが、のむラボホイールで走る時はアベレージ28km前後、NP230Wほどで実質63分ほど走っています。
魔改造前のCLX50で、アベレージ29km未満、NP230Wで実質61、2分と大差なかったです。
魔改造したCLX50に変えてみたら、アベレージ29.5km、NP220W、59分で完走できるようになりました。
とんでもない変化ですが、走っている時はTT状態なので楽になったとか感じません(笑)
でも速くなっているのは確かです。
特にNPが下がっているのがミソですね。
実際は必要なパワーが低くなっていると考えられます。
ちなみにのむラボホイールの名誉のために付け加えますと、このホイールは2018年にメンテして以来スポークテンションなど何も調整していません。
かなり劣化していると予想されます。
【まとめ】
最後に、まとめ行きましょう!
今回のテーマは以下の通り。
【検証シリーズ後編】ROVAL RAPIDE CLX50の後輪をもっと走る形にします【完組ニコイチ】 でした。
そして、本稿の結論は
魔改造、大成功!
これですね^^
私個人的な印象ですが、ROVAL RAPIDE CLX50のリムはとても好きです。
- タイヤとのマッチングにおいて、今でもさして見劣りしない内寸法
- エアロに優れたリム形状(←ただし上には上がいる)
- リム形状から考えられない軽さとスプリントにも十分な剛性
- やろうと思えばチューブレス化も可能
(やらんけど)
つまり、剛性はちゃんと確保した上で、軽く、リムブレーキトップレベルのエアロ形状を有しているのが、このリム最大の武器だと思います。
不満があるとすれば、ブレーキの効きくらいなものです。
ただアップダウンがあるレースに出る時はコスカボアルチを引っ張り出しますから、ブレーキ性能はさほど気にする必要はありません。
そこに、2:1組の最高峰「フルクラム」のハブと、左右異径スポークで武装したわけです。
死角などもはやゼロに等しいです。
リムブレーキバイクにはまだまだ乗り続けるつもりですが、このリムはぶっ壊れるまで使い続けようと思っています。
以上、参考になると嬉しいです^^
それでは今日も、ありがとうございました!