【S-WORKS ARES2】見た目ゲテモノ、中身過去最高のロードシューズをインプレッション【SPECIALIZED】

こんにちは、コウです^^

それでは今日も元気よくやっていきましょう!

本日のテーマはこちら。

【S-WORKS ARES2】見た目ゲテモノ、中身過去最高のロードシューズをインプレッション【SPECIALIZED】

こういうテーマでやっていこうと思います^^

今年3月、スペシャライズドが新しいシューズをリリースしました。

その名も「S-WORKS ARES2」

前身である初代ARESは、2020年前半のマーク・カヴェンディッシュ劇的復活を支えたシューズです。

ジュリアン・アランフィリップも気に入っていたのか、よく履いていたのを覚えています。

私も2足、手を出したことがあります。

あの当時はこれが普通だと思っていましたが、またかなりタイトなシューズでして。

幅広足さんにとっては足の骨という骨をギュッと掴まれるようなホールド感が特徴的な一足でした。(褒めてません)

結局途中から使用を止め、今は「S-WORKS TORCH LACE」をメインシューズとして使っています。

かつて私が「こんなもんSUB6の後継じゃないわ」とこき下ろしたシューズです。

でも、数年の時を経て考えが変わり、TORCHはこれまでのS-WORKSシューズとラストが微妙に異なることに気づき、これまでの41からハーフサイズダウンの40.5を履く事で、フィット感への悩みを解決するに至りました。

その後半年ほど使用しております。

 

ところがなぜここにきてシューズのお話が出てきたかというと、TORCH特有の「僅かな緩さ」と、別の問題が気になってきたためです。

TORCHは明らかにこれまでのS-WORKSシューズと違います。

ラストが微妙に変わっている影響もあるのと、アッパーがとてもしなやかで柔らかいので、サイズを少し変えてあげるだけでとても優しくピタッとフィットします。

しかしながら「フィットすること」と「足に力を込めた時の伝達効率の良さ」は全く別物です。

TORCH LACEも40.5を持っていますが、フィット感は良いもののパワー伝達はいまいち。

で、そんなTORCH、サイズを変えて走ってみてもやっぱり満足できません。

そもそもの設計からして、どこかTORCHはレーシーじゃないんですよね。

ただ、41サイズだと緩さがさらに増す一方なのは知っているため、41を買い直す気にもなれません。

 

私はロードバイクの機材に関して、シューズへのこだわりはハンドルの次に強いです。

プロが使っているとか関係なく、合わないものはバッサリ切り捨てます。というのは本ブログの読者様ならご存知かと思います。

なんとかならないか?いっそサイズアップしてARESを買い直そうか?

と考えていたくらいです。

そんな最中、かつてのスプリンター御用達シューズ「ARES」の後継品登場の報という、絶妙なタイムリーさ。

是非とも試してみたいと思ったわけです。

そして店頭での吟味の末、ここにS-WORKS ARES2が爆誕しました。

ストレートに申し上げて、従来のシューズはもちろん、前作ARESから大幅な改良が加わり、もはや違う次元にすっ飛んで行ってます。

恐らく今後、エンドユーザーによるS-WORKS ARES2のインプレッションがどんどん出てくるでしょう。

多分十中八九ポジティブなインプレッションが多いと予想しますが、スペシャライズド好きな私が色眼鏡を抜きにしても、このシューズはまた銘品になりそうな予感を感じています。

私なりに気になったポイントも交えて紹介していこうと思います!

ぜひ参考にしてみて下さい!

 


【私の足のスペック

  • 母指球~小指球の幅は105ミリ(幅広め)
  • 周長で言うと約255ミリほどある
  • 甲は平均値ほど高くはない
  • 足の全長は座位で255~256ミリ(立つと2~4ミリ伸びる)
  • 親指と中指の長さが揃っている「スクエア足」(若干人差し指が短めか)→人差し指が長い「ギリシャ足」
  • 土踏まずが低く偏平足気味(土踏まずの周囲に筋肉が付いているからという見方もある)

昔、私の足はスクエア足と書きましたが、実際は「ギリシャ足」でした

ギリシャ足とは、人差し指が長い足型のことを指します。

舟状骨が少し出っ張っている

しゅうじょうこつ と読みます。

ここですね。

私の場合、特に左足が少し出っ張り気味です。

このせいで昔からある、左右のアッパーを丁度足のど真ん中に寄せて閉じるような締め方をするBOAダイヤルシューズを履くと、レースガイドの固い部分が骨に被さってよく痛みます。

こういうシューズは基本ダメです。

なので、アッパーのレースガイドがオフセットしたものを今まで選ぶ傾向にありました。

右足の小指の骨が左足のそれより大きい

利き足の影響もあると思います。

高さを比べると分かりやすいのですが、右の方が骨が大きいことが分かっています。

これのせいで、アッパーの小指側が低めに作られているシューズを履くと、小指がだんだん痺れてきます。

体重がかかると足の長さが伸びやすい

座位と立位で、足は伸び縮みします。

勘の良い方なら、なんとなく日常生活で実感していらっしゃるかもしれませんね^^

少し前にオーダーメイドのスニーカーを作りに行ったのですが、その時に足の状態を調べてもらいました。

座位ですと、両足共に255か256ミリ。

ですが立つと、右足は2ミリ弱伸びるのに対し、左足は3~4ミリ程も伸びるそうです。

曰く、足を構成する200個ほどの骨の動きが柔軟だと、足が伸びやすいそうです。

足首の可動域が広すぎる

その場にしゃがみこんで体育座りが普通にできます。

歳をとると、足首、アキレス腱の伸びが悪くなって踵が浮いてしまう人が多いんですが、普通に足裏を全部地面に付けられます。

 

 

と言った感じですね。

総合すると、「母指球と小指球が広く、つま先がトゥボックスに接触しやすい可能性が高い足」ということです。

サイクリング中に足が伸びるほど片足に過負荷がかかる状況ってあるのか?

とお思いの方もいるかもしれませんが、唯一あります。

ダンシングしている時です。

なのでこれまでの傾向から考えますと、ダンシング=前かがみの片足立ちでつま先が接触しないサイズをずっと選んできたのです。

本来ならシマノでもスペシャライズドでも40.5が適正なんですが、つま先の自由度を考慮し41を履いてきた、という経緯です。


【S-WORKS ARES2を大解剖する

順番に見ていきましょう。

こちらがARES2の全体像です。

まずはアッパー。

BOA Li2を2個装備しているのは前作と同じですが、金属製ダイヤルに変更されています。

前作ARESで登場した、3点式のクロージャーシステムも踏襲しています。

つま先の締め方も前作と同じです。

ただ、素材が全く異なります。

アッパー側の大きな変更点その1、アッパー素材からニットが消えました。

前作ARESは凄く履きにくいものの、ニット特有の伸びが足を包み・・・いや、「これでもか!もっとか!!もっといくぞおお!!!」というほど母指球小指球を締めてきました(笑)

しかもニット生地の上からBOAをダイレクトに締めるという甲の保護もくそもない作りで、ある程度の我慢が必要なシューズでした。

足が広い人には向かないシューズだと思います。

よく好んで履いてたな、昔の自分^^;

 

ARES2はニットの代わりに、普通のシュータンが配置されています。

タンには特にズレ防止の措置は取られていません。

Li2ダイヤルなので、締めも緩めも1ノッチずつ調整可能なうえ、ダイヤルを開放すれば一気に緩みます。

分離したシュータンのおかげで、履きやすさに関しては前作の比ではないほど向上しています^^

ただ、アッパー自体は1.5mmはありそうな厚手ものが使用されています。

なので、普通にBOAダイヤルの回転が渋くなってきたくらいで止めたら、ごわごわなままで全然締まってないってことがよくあります。

アッパー側の大きな変更点その2、やたらでかいヒールカップ。

ただでかいだけではありません、これがあるからこそARESは大きく進化したといっても過言ではないです。

BOAダイヤルの配置、左右対称なヒールカップ、3点式クロージャーから見えてくるのは、伝統的なランニングシューズの足の固定方法に倣った姿です。

一見すると、非常識なくらい大きなヒールカップだけで踵をガッチリ固定しているように見えますが、よく見るとヒールカップが右上に向かって伸びています。

推測の域を出ませんが、この設計の意図は

  • BOAダイヤルが固定された生地を極力短くし、生地の伸びを抑え込もうとしている
  • 足首から踵までを、ぐるっと覆ってホールドする設計

ではないかと思われます。

ランニングシューズでは、シューレースの穴に合わせて斜めの補強ラインが入れられることが往々にしてあります。

アディダスのシューズが特に分かりやすいです。

三本線の延長線上にちょうど靴紐が通る穴が配置されています。

こうすることで、紐を締めた時にアッパーが足に馴染みつつ、しっかりホールドしてくれるのですね。

最近のロードシューズもこれを意識した設計が多いですが、ここまで分かりやすく「ガッツリホールドします」という設計をしているシューズは他に見たことがありません。

アッパー側の大きな変更点その3、やけに丸くて幅広なトゥボックス。

前作ARESと比較すると分かりやすいですが、親指側が真っ直ぐになっています。

 

・・・この形状、違うメーカーで私は一度お目にかかったことがあります。

そう、熱成型で有名なあのアメリカメーカー

BONTです。

BONTはずーっと昔、それこそVAYPORが出る前のA-ONEやA-TWOといったモデルの時代から、足の形をきれいにトレースするように「親指が頂点となるラスト形状」を採用しています。

その流れは今も変わりません。

なのでS-WORKSに行き着く前は、私はBONTユーザーでした。

まさかスペシャライズドがBONTの方向に行くとは思いもしませんでした。

参考までに、TORCHと並べてみます。

取り方が下手糞でどちらも傾いている構図になっていますが、気にしてはいけません。

 

TORCHは中指辺りがつま先形状の頂点になるよう、親指側も小指側もシューズの真ん中に向かってすぼんでいます。

ARES2は見ての通り、親指側に大きなスペースを設けています。

この作りのおかげで、ARES2の足先は本当に広々しています。

ところが、アウトソールの幅はTORCHのノーマル幅と全く同じなんですよ。

並べて比べてみましたが、全く変わりません。

ということは、ARES2はアッパーの作り、具体的にはこの親指側スペース拡大だけで、ワイドサイズ要らずの快適なつま先空間を実現してしまっています。

ワイド版TORCHも履いていた時期がありますが、あれに匹敵するくらいつま先が快適です。

マジでおかしいて、このシューズ・・・。

これはスペシャライズド曰く、新開発の「ボディジオメトリーラスト」というものを採用したからこんな形になっているらしいです。

なるほどね。

 

ただし!

この設計変更は手放しに「良い!」と評価できるわけではありません。

恐らくこのつま先形状は、サイジングする上で最も厄介なポイントになるかと思います。

ボディジオメトリーラストになったと言っても、今までのスペシャライズドシューズのサイズ選びが根底から変わるような違いは「基本的に」ありません。

では何が違うのかというと、ARES2は親指からの足の長さが基準になってるんじゃないかってくらい、親指基準なのです。

ARES2を試着した時、最初はTORCHと同じ40.5を履いたのですが、人差し指がアッパーに当たってつっかえてしまったのです。

私の足は人差し指が親指より長いためか、TORCHと同じサイズが合わない。

無負荷状態の足でこれなので、立てば当然他の指先もシューズに当たってしまいます。

なので私はARES2のサイズは、昔のスペシャライズドシューズと同じ「41サイズ」を選びました。

41サイズでもむりやり前荷重を取ると人差し指が少し触れますが、それ以外は立ってもつま先がシューズに触れることはありません。

なんとも気持ちの悪い感じがしますが、これがスペシャライズドが10万人の足を研究した成果だそうです。

ですが先行インプレしている方の中には、TORCHと同じサイズを履いてダメだった方がいました。

同じ壁にぶち当たっているのを読み取れます。


【S-WORKS ARES2 インプレッション! 初めてBOAダイヤルシューズを愛せるようになった日

では、インプレッションに入ります。

と言ってもまだ200キロほどの使用なので、耐久性などは未知数です。

それでもこのシューズの良し悪しを語るには十分な距離だと思います。

インソールはお決まりの「SOLESTAR BLK2」です^^

ARES2 41サイズに対し、42を入れてぴったりです。

SOLESTARの方が親指側がカーブしているので、ARES2のアウトソールにぴったり沿うわけではないですが、幸い指が落ちるなどの害は無かったです。

がっつりホールドしてくるが、快適さを全く失っていない

見た目の通りですが、ホールド性はこれまでのどんなシューズと比較してもダントツ1番です。

「絶対足を浮かさない」という設計が活きている証拠として、BOAダイヤルを開放した状態で走ってみても、踵が浮きません。

びっくりしました。

特にヒールカップは、S-WORKS SUB6、TORCHとは全くホールドの仕方が異なります。

SUB6は、アキレス腱の高いところを指一本でギュッと摘まむ形状。

TORCHは、掌でスポっと優しく包む形状。

ARES2は、鷲掴み。

手全体を使ってがっつり握り込んでくるような強力さを感じます。

シューズやインソールの熱成型を経験した事ある方なら分かるかもしれませんが、人の手で甲から踵から押さえつけられる、あの感じに似ています。

だけど不快に感じないんですよ。

力いっぱい鷲掴みしてくるわけではない絶妙な力加減でして、嫌な印象を与えてこないのです。

綺麗に踵に沿っています。

アキレス腱周辺のどこにも不快さを感じない。

均等にホールドしています。

面白いのが、このつま先のBOAダイヤル部分。

ワイヤーが少し張る程度の締め込みだと、「締めてない」のと同じくらい圧迫される感じがありません。

トゥボックスの上下方向のスペースも十分あり、指先を自由に動かせます。

でもって、今度は試しに締め込んでいきます。

流石にテンションカンカンまで行くと痛いですが、常識的な範囲で目いっぱい締め込んでも、足が左右にぶれなくなるだけで、痛みが全くない!

さらに、締め込んでいるのに指先が自由に動く。

 

足がシューズ内で暴れないって、こんなに快適なんだ・・・

と思えるまでは、なんとも気持ちの悪い感覚でした(笑)

レーシングシューズって、つま先の自由度がある程度規制されるものだという思い込みがありました。

それをARES2は完全にぶっ壊しに来ています。

本当に驚かされます。

逆に、この感覚はTORCHの40.5サイズには無かったのです。

TORCHはつま先の快適性を取るか、踵のホールド性を取るか、という究極の二択を迫ってくる、非常に惜しいシューズです。

ペダリングが変わるほど、力を乗せるポイントが超分かりやすい

ARES2を履いて最初に踏み込んだ時、母指球がペダル軸に引っ掛かる感触がありました。

どういうことかというと、ペダル本体の回転軸をきっちり捉えられるのです。

捉えやすい!とかそんな生ぬるいふわっとした感じではなく、「ここ!」とぴったり当てられる。

イメージ的には、母指球直下だけきれいにフィットする僅かなくぼみがあって、そこに母指球の骨がスポっと落ち着いている感覚。

しばらくペダリングを続けると、ペダリングの最中でも「今ペダルが何時の辺りにいるか」が手に取るように分かります。

加えて、このアッパー構造とヒールカップのおかげか、ペダルを11時から前へ蹴りだす動作をすると、一切のロスを感じずダイレクトに力が伝わるのをひしひしと感じます。

気のせいではなく、ペダルを前へ蹴る動作でバイクがググっ!と進んでいくのです。

実際に力が掛かっているのは12~3時くらいだと思いますが、その区間を狙って力を伝えやすい と言えば分かりますかね?

というか、そこを狙えと言わんばかりにシューズが踏むポイントを指示してくるんですよね。

なんか気持ち悪い話ですけど、本当にそう感じています。

一方で、TORCHを履いた時に行う2~5時くらいの範囲でペダルを踏み込む「いつものペダリング」をARES2で行うと、ググっ!と進む感覚が無いんですよ。

というかTORCHだと、前へ蹴りだす動作をしてもアッパーが柔らかいので力が逃げてしまうんで、必然的に硬いソールを真下に踏む「縦踏みペダリング」にしないと踏めないのです。

この違いをパワーで表現すると、例えば300Wの力でバイクを進ませるために必要な力が、

  • ARES2だと300Wぴったりかかすかに越える程度
  • TORCHだと320W以上

という感じ。

ARES2だと、明らかに楽しながらペダリングできているという感触があります。

 

ちなみにこの大きなアッパー側のBOAダイヤルは、しっかり締め込んだ方が良いですね。

適当に締めて走っていたら、アッパーが踏みの力に負けて膝が内側に入ってしまったからか、久しぶりに少し膝が痛くなりました。

締め込んだら、足がバシッと立って綺麗にペダリングできるようになります。

この足の自由度の高さ、BOAダイヤルを締めるとバシッと足の位置が決まる感じ、踏み心地。

嘘みたいな話ですが、かつて履いていた「BONT VAYPOR S」を思い出しました。

あっちは42サイズでジャストという少し変わったラストを採用していますが、踏んだ時の感触やアッパーと足とのスペース感が本当に似ているのです。

BONTは熱成型前提のバスタブ形状のソールですが、全体的な感触は近い。

なので私の印象としては

BONTソールに「ペダル軸の分かりやすさ」をプラスし、前作ARESのアッパーを改良移植したのが、S-WORKS ARES2

そういう印象です。

少し厚めのソックスが履ける。もちろん薄手もOK

個人的に最もうれしいのが、かつてお気に入りだった「5本指ソックス」をもう一度使えることです。

私は足の指も自由に動かしたい人なので、5本指ソックスが好きです。

ですがS-WORKS SUB6を履き始めて以来、薄手のソックスじゃないとシューズ内に足が入らない問題を抱えてしまい、少し厚手な5本指ソックスはお蔵入りにしていました。

ですがARES2の足先空間を持ってすれば、5本指ソックスを履いた足でも快適さを失いません。

8年近い時を経て、ようやくこのソックスを復活させる時が来ました!(流石に新品を買っています)

スプリントにおいて、ソックスはとても重要です。

なので5本指ソックスが使えるのは、本シューズ最大のメリットではないかと思います^^

 

薄手のソックスを履いてももちろんいけます。

しかしながら元がゆったりめなフィット感なARES2。

ソックスの厚さで結構締め込む量が変わるので、中厚手くらいのソックスが最も馴染むと思います。

スプリントで足が全く浮かないという強み

ARES2には、足をホールドするためのギミックが色々凝らされています。

その最たるものが、TORCHとは全く異なるヒールの形状。

TORCHはヒールが真っ直ぐ立っているのに対し、ARES2は踵骨がある範囲が踵の形に沿うよう丸みを帯びています。

そこに踵がきっちり収まるような作りになっているのです。

このおかげで、本当に足が浮かないし、横にもブレません。

1000mTTのスタートを意識したダッシュで1300W以上出しても、全く足が浮きません。

それどころか、足指がしっかりソールを捉えられるので、まだまだ踏める!という感触すらあるほどです。

 

で、これで終わってしまうと、単なるガチガチに足を抑え込むシューズって印象で終わってしまいます。

ARES2の特筆すべきポイントは、ここまでガッチガチにホールドされながらも、足を動かす自由度や快適性を失っていないことです。

言葉にするとなんとも平凡な表現でしか表せませんが、ARES2はこれまで履いてきたシューズとは別の次元にいます。

見た目はゲテモノですが、中身はとても進化が進んだレーシングシューズだと思います。

足首の食い込みは前作から健在

あまり良い話ではないですが。

前作ARESでもあった話です。

ARESシリーズはこの大きなアッパーで甲を押さえつけていますが、足首側までアッパーが延びてきています。

足首を大きく曲げ込む動きをすると、足首にアッパーが食い込みます。

ここはあまり改善されていませんが、前作ARESの時から感じていましたが、そもそもそういうペダリングをARESの設計で想定していないのかもしれません。

真相の程は分かりませんが。

やたらめったら硬い踏み心地

最近S-WORKS TARMAC SL6と一緒に走ることが多いので、TARMACで走った印象です。

ARES2は平地で350~400Wくらいで踏む程度では、あまり硬さを感じないです。

スプリントで踏みこんでも、足裏の不快感を感じません。

基本的にちょっとやそっと踏んだり、ケイデンスを95~100以上の少し高めにして回していくと、本当に快適なシューズという印象です。

ところがヒルクライムのように、常時トルクをかけたペダリングをし始めると、急にカチコチの岩のような踏み心地に変わります。

元が硬めなフレームに、R9100のクランク、ハブが変わったCLX50の合わせ技もあって、とんでもなく固く感じます。

500Wくらいのつもりで踏んでるのに、実際は450W弱しか出てないみたいな・・・。

なのでSFRをやると、神経がピリついてくるのを感じ取れます。

スプリンター向けのシューズって感じがすごくします。


【まとめ】

最後に、まとめ行きましょう!

今回のテーマは以下の通り。

【S-WORKS ARES2】見た目ゲテモノ、中身過去最高のロードシューズをインプレッション【SPECIALIZED】 でした。

そして、本稿の結論は

このシューズは他の人には使ってほしくない・・・

これですね^^

 

インプレッションするだけしておいて、「お前らは使うな!」とはこれ如何に(笑)

でも、そのくらい私にとっては良いシューズです。

初めてですよ、BOAダイヤルのシューズを使ってここまで気持ち良いと思えたシューズは。

アッパーがまだ少し馴染みが出ていないですけど、ダイヤルを締めても足が痛くならないシューズには出会ったことがありません。

 

実体験として、新品中古含めてシューズはこれまで数多く使ってきました。

最初期の頃はMAVIC ゼリウム、BONT VAYPOR。

その後

  • DMT VEGA、R4
  • シマノRC901~903
  • SIDI WIRE
  • SCOTT ROAD RC
  • SPECIALIZED S-WORKS SUB6、7、7 LACE、ARES、TORCH、TORCH WIDE、TORCH LACE
  • LAKE CX332
  • BOTT VAYPOR+、VAYPOR S

などなど、結構渡り歩いてきました。

正直BOAシューズって、ちょっと締めた時のフィット感に関してはかなり良いものが多いんです。

シマノのRC9は特に歴史を感じるシューズで、初代はとんでもなく踵がばがばなシューズでしたが、今は踵を絶対に浮かせない作りに進化しています。

牛革を使ったCX332もとても馴染みの良いシューズでした。

でも、試着で好印象を抱いたとしても、ペダリング動作になると急にそりが合わなくなることも往々にしてありました。

やはりネックになるのが、足首への過干渉。

なるべく足首に近いところまでアッパーを持ってきてホールドした方が、足がずれにくいのは確かです。

ただ、そこにワイヤーを横断させるのか、アッパーを横断させるのか、全く別の方法で締め込むのかで、大きく変わってきます。

色んなシューズを履きましたが、結局残ったのは、スペシャライズドのSUB6とTORCH LACEの2足でした。

私は前乗りゆえに引き足で足首を大きく動かすペダリングをするので、足首に優しい紐シューズばかりが最終的に残ってくるのです。

その流れで、DMTのKR SLやPogi’sはかなり気になっていました。

逆に、今を駆けるプロ選手「マチュー・ファンデルプール」や「ワウト・ファンアールト」が使うRC903なんて、何が良いんだよと思っていたのも事実。

 

そんなシビアな選択をする私にとって、今作のARES2は衝撃でしかなかったんですね。

足首への食い込みは残ります、それはネガなポイントとして存在します。

それ以上に、

  • 踏むポイントがはっきりしている
  • 前作より足の自由度の高さから来る「締まっているけど足が快適」

という、これまでのロードシューズには無かった境地を開拓しています。

今ではすっかりお気に入りです。

今あるTORCHシリーズを全て手放し、ARES2をもう一足ストックしておこうか悩むくらいに良いです。

 

以上、参考になると嬉しいです^^

それでは今日も、ありがとうございました!

 

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