こんにちは、コウです^^
それでは今日も元気よくやっていきましょう!
本日のテーマはこちら。
【レビュー】YOELEO SAT C60 DB PRO NXT SL2【VENGEはどう変わる?】
こういうテーマでやっていこうと思います^^
前回の記事にて、
純正ホイールではVENGEのインプレがままならん
というお話を書きました。
で、その前のAACAレースレポートにて、ホイールを変えたことを公開しています。
写真の通りではありますが、
YOELEO SAT C60 (中略) SL2
にしました。
最近台頭しつつある、真っ当?な中国メーカーのホイールに変えちゃいました。
名前が長いので、「C60」で行きます。
間違ってもデュラエースC60ホイールではないです。
純正であるROVAL CL50から交換し、どんな印象になったのか?
ぜひ参考にしてみて下さい^^
【仕様をチェック】
構造的な詳しいことはITさんのブログに書いてあります。
メーカーの公式ページも貼っておきます。
まず目を引くのは、ハイト60mmもあるリム。
内幅23mm、外幅31.8mmのU字形状。
28Cタイヤのためにあるような設計でありながら、リム重量は公称420g前後。
前作はグロス調仕上げだったそうですが、今作はマットな質感です。
手がべたついているとすぐに汚れているのが目立ちます。
こんなゴツいリムを持ちながら、ホイール重量は1330gだそうでして。
ホイール全体重量があまり意味をなさないのはもはや周知の事実かと思いますが、バイク全体として見た時にやはり軽い方が良いに越したことはありません。
ちなみにハブは公式によると、前後で270gほどしかないそうです。
凄く軽い。
ということは、1330gからリムとハブを抜いた重量「190g」がスポークの重量になります。
・・・そんなことあるかいな。
前後24Hのトータル48本で190gって、スポーク1本4g切ってますよ。
ちなみにステンレススポークです。
ニップル分差し引くと、もっとスポークが軽くなるぞ。
そんな魔法のようなスポーク、ステンレス素材で見たことがありません。
計算間違いだろうと思って調べてみると、スポークはPILLAR社の「WING20」を採用しています。
WINGスポークも何種類かありますが、WING20はラインナップ中最も軽いスポークで、1本当たり4.3gほどです。
私的には、これは曲者だと思っています。
PILLARのWINGスポーク自体は、サピムCX-RAYなどと同じエアロスポークに分類されます。
なので空力性能は高いのですが、WING20はいかんせん軽すぎる。
凄く端折りますが、スポークが重いほど、ホイール剛性は高くなります。
CX-RAYと同等の重量であることから、剛性も重量なりで、あまり高く無さそうなことが伺えます。
CX-RAYをフル採用したホイールって、あまり走らないんですよね。
スポークテンションはカンカンに張ってありましたが、細いからカンカンになるだけで、実際動力を伝えられるほどの剛性が確保されているかは別問題です。
要するに、ホイール全体の剛性は、スポークの重量がカギを握ります。
YOELEOにこの点を質問してみましたが
「プロ選手のフィードバックを基に、剛性バランスを最適化している。問題ない。」
とのことです。
ほんまかいな。
C60はリム剛性が高いので過剛性になるのを避けるため、という理由であればまだ納得できそうです。
が、このスポークはリムハイトが低いC35にも使われています。
邪推ですが、WINGスポークはエアロスポークの中でも比較的安く、ホイール重量を軽く見せられるためではないか?と考えています。
ちなみにスポーク1本4.3gで計算してみた限り、1350gはありますね。
まあそんな重箱の隅を突くような真似はさておき、
お待たせしました。
「YOELEO C60 SL2」のレビューです!
AACAでガッツリレース使用したので、その印象も交えての評価になります。
【VENGE PRO 2ndインプレッション ”SAT C60 DB PRO NXT SL2版”】
前回のインプレッションはこちら。
今回は「ホイールを履き替えてVENGEをレビューする」という副題も掲げています。
VENGE PROセカンドインプレッションは、ざっくり言うとこんな感じ↓
- 「高リムハイトでTLRリム」とは思えないほどの軽い加速感
- CL50よりは高剛性だが、高出力域ではキレのある走りはない
- 横風耐性が異常に高い
- 軽量ホイールにありがちなスカスカ感は薄め
このような印象になりました^^
見てもらえれば分かりますが、
「これじゃない・・・」感が滲み出るインプレになっています。
悪くはない、けど・・・
という、惜しいホイールだなという印象です。
とりあえず思いのままにインプレッションを書き連ねていきます。
現在の私の体重は66.0~66.5kg。
タイヤはGP5000 25C。(←SL2シリーズの最小幅)
チューブは前回のAACAで使った「前ラテックス+後TPU」から超軽量ブチルに交換しています。
空気圧は前後6.0bar。
引っ張りタイヤ気味(車好きな方なら分かりますよね?)なので、ちょっと空気入れ過ぎ感はありますが、ダイレクト感を得ようとすると5bar台は下げ過ぎという印象です。
「高リムハイトでTLRリム」とは思えないほどの軽い加速感
AACAのコースは最上位カテゴリー1-1を除き、コーナーで20~30キロまで落ちてそこから45~50キロまでスコーンとスピードを上げていくコースレイアウトです。
このような状況下でホイールに問われるのは、「加速の軽やかさ」です。
普段から50mmくらいのリムハイトのホイールを履いていますが、こういったディープリムホイールは往々にして加速のキレが薄く、巡航寄りな走りをすることで光るホイールが多いです。
つまり、そもそも加速の軽やかさなどディープリムに望むべきではないわけでして。
そんなカテゴリーの中にいて、C60 SL2は結構加速力高めなホイールだと感じます。
スポークの多さやリムの軽さが効いているとも思いますが、60mmもリムハイトがある割には軽やかです。
リムハイトの割に重量が軽く、内周側に重量が分散している効果もあるのでしょう。
スポークパターン、リム重量、リムハイトなどなど何もかも違いますが、少なくともこの時点でCL50より速く走れるのは確かです。
CL50よりは高剛性だが、高出力域ではキレのある走りはない
一方で、スプリントやそれに近いアタック的な走りをしてみると、伸び方がいまひとつ。
予想はしていましたが、剛性が足りていない感が滲み出ています。
スプリンター的には結構致命的なネガです。
C60 SL2は細いスポークをキンキンに張っているので、踏み込みだした瞬間はホイールが即座に反応します。
反応性自体は良好なんです。
踏みを強めれば当然出力されるパワーは増えますが、C60 SL2はキャパ的に体重の10倍くらいまでだったら楽しく速く走れる感じがします。
それ以上になると、リムが僅かに遅れて回りだす印象。
なので、トルクでゴリゴリ踏み込むよりは、ケイデンスを高くしてトルクを小さく、よどみなく回転させていくとスピードが伸びます。
正直、軽いスポークを使ったホイールってこんな感じなんですよ。
スプリントのような高出力域を除けば、たしかに速いと思わさせてくれます。
逆にスプリントのような高出力にどっぷしハマる領域では、ペダリング一回転中のトルク変動が大きいので、反応性よりも芯が通った剛性の方が重要です。
横風耐性が異常に高い
これは衝撃を受けました。
このリムハイトで突発的な横風をもろに食らっても、バイク全体が押されるに留まります。
もちろん60mmもあるので、どう頑張ってもリムハイト35mmのホイールに比べると煽られはします。
それでも、これまでのホイール経験から身構えなければならないほど煽られることは今のところありません。
リムブレーキだとRAPIDE CLX50を使っている私ですが、CLX50も横風耐性に優れたホイールです。
スペシャライズドは
フロントホイールが煽られることで、バイクの推力を削られてしまう
というロジックの下、CLX1、2、3と、リム形状をこれでもか!というほど作り込んできています。
その礎であるCLX50でも、これまでのナローリムホイールに比べれば十二分な横風耐性を持っており、かなり走りやすいのは事実としてあります。
C60 SL2は、それを超えています。
先ほども書きましたが、突発的な横風でもハンドルが切られるのではなく、バイクがゆっくりと押される感じで横移動していきます。
ですので、ハンドルが暴れないように肩ひじに力を入れる・・・なんてことが無いのですよ。
昔、私がまだFOILに乗っていた時の話。
MAVICのキシリウムプロを履いていた頃、横風が吹きつける中でハンドルをわずかに切る力がかかっていたのを感じていました。
ナローリムだからなのか、リム形状の問題なのか、太いアルミスポークだったからか、今となっては定かではありませんが、あんなにローハイトなリムのホイールでも前輪が煽られてハンドルを切られることがあったのです。
あの頃のホイールは、リムハイトが上がればラインがぶれて走行に支障が出るのはもちろん、酷いとコーナリング中に足元をすくわれて落車することもありました。
実際、何もないコーナリング中に風のせいでこけている人を見たことがあります。
なので、風が強い日のレースはナローリムで走る人が多かったですね・・・。
時代は流れ、横風耐性を強化したホイールがたくさん出てきました。
ROVALのCLX50は、リムブレーキホイールの中ではとても優れた横風耐性を持つホイールです。
私がこのホイールを初めて使ったのはまだここ数年のことなので今更感が凄いですが、あまりの安定感の高さから
もう、ローハイトリムのホイールは不要だな・・・
と、自分の中で結論を出したほどです。
そんなCLX50でも、急な横風が吹くとハンドルが瞬間的に切られるほど動くことがあるのです。
こいつはそれが無いです。
無いというと語弊がありますが、横風に対し身構える、恐怖する、という感覚が薄れてきます。
なんせ、風がどう吹いてきてもへっちゃらなんですよね。
CLX50の時もかなり衝撃を受けましたが、さらなる衝撃です。
15万程度のホイールでもこのレベルなら、開発資金に物を言わせて作られたRAPIDE CLX1~3やAEOLUS RSLだとどんなことになるのやら・・・。
横風耐性の高さは、リムブレーキではなし得ない「リム形状の自由度の高さ」が強く出ているポイントではないでしょうか。
軽量ホイールにありがちなスカスカ感は薄め
リムハイトとリム幅からリム重量を考えると、
昔ながらのカーボンチューブラーホイールのリム重量とそう変わらないのでは?
って感じます。
BORA 50だって370-380gほどなのです。
なので、そんなに軽すぎてペダリングがスカスカってことはありません。
この手のホイールを一言でまとめると「反応性は高いけど、踏み止めるとすぐ失速する」という、軽量ホイールの特徴が色濃く出てもおかしくないはずです。
ただ、やはりスポークが柔なのか、700W以上のアタック的な踏み方を前にすると、しっかりかかっていない感触がわずかに出てきます。
特にスプリントになると、どうしてもかかりが薄いと思ってしまいますね。
300Wくらいで走る分には満足いく性能です。
300Wオーバーは私にとってはそんなポンポン連発できる領域じゃないので、このくらいに美味しいポイントがあるホイールというのは嫌いじゃないです。
トレーニングで走らせる分には、全く以て不足を感じないホイールです。
【まとめ】
最後に、まとめ行きましょう!
今回のテーマは以下の通り。
【レビュー】YOELEO SAT C60 DB PRO NXT SL2【VENGEはどう変わる?】 でした。
そして、本稿の結論は
練習の最高峰、レースではもう少し尖った特性が欲しい
これですね^^
C60 SL2の特徴は、この見た目でとにかく軽いことです。
- 横風耐性が高い
- 1300g台と、とにかく軽い
- ペダリングのリズムは取りやすい
- C35/C50はアシンメトリックリムで横剛性もC60比で高い可能性あり
と、はっきり言って定価16万円で買えるカーボンホイールとしては出来過ぎなくらいのホイールです。
少し脱線しますが、ホイールに関する私見を書きます。
各パーツの重量配分にもよりますが、カーボンホイールは1300~1400gくらいが、「踏み込みの軽やかさ」と「ペダリングをアシストしてくれている感」が共存できる閾値だと思います。
何セットかホイールを使い込んできて辿り着いた、一つの結論です。
私は2019年型のマビック「COSMIC CARBON ULTIMATE」・・・通称”コスカボアルチ”を持っています。
本品は私がこれまで走らせてきた中で、最もペダリングが軽いホイールです。
加速、減速、旋回、スプリント。
全てが他のカーボンホイールと一次元違います。
おまけに乗り心地も結構良い方です。
しかしながら「反応性はべらぼうに高いけど、失速感も強く出る」という、昔ながらの軽量ホイールの特徴がそのまんま色濃く出るホイールです。
それに対し、CLX50はリムブレーキのクリンチャーリムなので、瞬間的な加速や登坂性能はコスカボアルチ比だとそれなりですが、これ単体で見ると上りも平地も全部満足できる性能を有しています。
コスカボアルチが尖り過ぎなだけですね(笑)
そんな中において、C60 SL2はどうかというと、先ほど
300Wくらいで走る分には満足いく性能です。
と書きましたが、実際スポークで上手いこと剛性感や脚当たりを調整している可能性も考えられます。
上りでもリムハイトがある割には重くないです。
一方で、絶対的な剛性面で見ると、リムブレーキのCLX50やコスカボアルチに負けています。
レースで走ったAACAは、インターバルに次ぐインターバルの掛け合いなので、ホイールの性能としては巡航性よりも加速の素早さの方が求められます。
反応性をディープリムに求めるのはお門違いですが、リム重量がこれだけ軽ければ、十分に加速の良さも狙えるレベルです。
リムは昔乗ったLUN HYPERより硬いので、単純にスポークを高比重なものに変えてあげるだけで化ける可能性が高いですね。
以上、参考になると嬉しいです^^
それでは今日も、ありがとうございました!