こんにちは、コウです^^
それでは今日も元気よくやっていきましょう!
本日のテーマはこちら。
【奇怪な機械】不人気だけど速すぎるバイクを組みました【BMC】
こういうテーマでやっていこうと思います^^
またしても機材ネタ、持ち物紹介ネタです(笑)
どうしても頭を使う長編記事を執筆していると、すぐに投稿できない事が多いです。
なのでこの手のネタは使いやすいです(笑)
今回はタイトルにもありますが、BMCのフレームを仕入れました(笑)
もう何台目になるか、考えたくありません^^;
BMCと言えば、カデル・エヴァンスを支え、一時期マーク・カヴェンディッシュも駆っていたメーカーです。
自転車漫画・アニメ「弱虫ペダル」の主人公、小野田坂道が駆るのも「BMC」ですね^^
そんなBMCを代表する車種と言えば?
そう、SLRシリーズです!
が、今回仕入れたのは、SLRやグランフォンド系のRoadmachineシリーズの陰に完全に埋もれた、もう一つのシリーズのバイクです。
正直組む前から嫌な予感はしていましたが、組み立ては超絶大変でした。
しかし、走らせてみれば、「流石は古くてもBMC!」という感想です^^
かつて無いほど面倒臭いけど、非常に面白い一台に仕上がったので、その姿をご紹介します^^
ぜひ参考にしてみて下さい!
【“ロードバイク感ゼロ”なエアロロードバイク】
エアロロード、という時点でもうお分かりになりましょう。
TMR01を組みました^^
モデルイヤーは2017年。
初代TMRのモデル末期に生産されたフレームです。
設計は古いですが、まだまだ一線級の走りを持っている事でしょう^^
一時期一世を風靡した「弱虫ペダル」。
その主人公・小野田坂道も駆るBMC、どんな乗り味か楽しみです!
…ところで、皆さんこのTMR01というバイク、走っているところを見た事ありますか?
私は少なくとも、写真でその存在は知ってはいたものの、実物は一回しか見た事がございません。
その一回とは、昔参加した、岐阜県の土岐アウトレット近くでやっていた試乗会です。
それがTMR01との初めての出会いでした。
多分大多数の方から
TMR01とはなんぞや?
…という声が聞こえてきそうな気がします^^;
私の主観ですが、一言で言うなら「かなり影の薄いエアロロード」だと言えます。
この初代モデルは、2012年のツールドフランスで正式デビューしています。
BMCレーシングに所属していた、カデル・エヴァンスがツールドフランスを総合優勝した年でもあります。
当時のエアロロードというと「TTバイクをそのままロードバイク化したもの」が圧倒的に多く、FELT 初代ARやMERIDA リアクトなどがこれに当たります。
本機もBMCのTTバイク「TM01」のロード版、という位置付けです。
この当時のライバルと言えば、
- SPECIALIZED VENGE
- TREK MADONE
- SCOTT FOIL
- MERIDA REACTO
- FELT AR
- WILIER CENTO 1 AIR
- BIANCHI OLTRE XR2
- CERVELO S5
- BH G6 PRO
- RTS TTR-X
思いつく限りこの辺りでしょうか。
一部は販売終了になりましたが、今なお名前が続く名車達が多くひしめき合っています^^
特にVENGEとFOILはマーク・カヴェンディッシュの活躍もあって一躍有名になりましたし、S5は抜きんでた空力性能とロードバイクとしての素性の良さを両立したスーパーバイクとして名を馳せています。
本来ならTMR01も新時代を彩る1台になり得たはずだったのですが、肝心のBMCレーシングが専らオールラウンドモデル「SLR01」ばかり使うので、デビューイヤー以外ではあまり姿を見せない存在になってしまいました。
たまに平坦ステージの多いレースで見る程度ですかね。
実際組んでみて思いましたが、「これはプロの現場では受け入れられ難いな…」と感じたので、私達一般ユーザーは余計に敬遠するだろうと思います^^;
もちろん、TTバイクがそのままロードバイクになったら、あまりにも使い勝手は悪いし遅いし…な部分もあるので、適切にモディファイされていますよ^^
ただTMR01に限って言えば、その搭載ギミックが他のエアロロード群を抜いてTTバイク然としているのが、私にとっては面白いのです(笑)
簡単に紹介しましょう。
前後に専用エアロVブレーキ
まず、ブレーキはエアロVブレーキを搭載しています。
そしてそれを覆うごついカバーが目を惹きます!
Vブレーキ自体はGIANT プロぺル、今は無きKUOTA クーガー、ARGON18 ナイトロジェンなどと同じですね^^
ただ、TMR01との違いとして、これら3台はブレーキをフロントフォーク裏に隠す方法を取っています。
が、BMCは何を思ったのか、フォークにケーブルを通すための専用トンネルをヘッドチューブの前に設け、しかもヘッドベアリングカバーからその専用トンネルに向かってブレーキケーブルを入れる方法を採用しています。
LOOK 695や795のエアロライトと同じ構造なわけです^^
取り回しが下手くそでそう見えないかもしれませんが、ブレーキケーブルに関しては今から10年前当時の設計で、ほぼステムに沿わせて入っていく構造になっています。
今のディスクエアロロード達がやっている事を先取りしているわけです。
ただ、ベアリングカバーに開いている穴が小さいので、ケーブルはすごく入れにくいです^^;
出始めの頃は右左どちらからでもケーブルを引き込めるよう、穴が2つ開いていたんですが…。
ちなみに「BMC」の小さいロゴの部分も含め、これでフォーク単品という仕様です(笑)
一方リアブレーキは、ダウンチューブがVブレーキの高さまで伸びていて、下から覗いても見えないように収まっています。
TMR01はフルアウター仕様なのでダウンチューブの穴に向かって差し込むのがすごく難儀ですね。
整流効果を狙ったトリップワイヤ (縦溝)
ヘッドチューブ、フロントフォーク、ダウンチューブ、シートチューブの進行方向面には、現行のRIDLEY NOAHに採用されるインモールドFサーフェスプラスに似た溝があります。
2023年現在も使われている手法が、10年前に既に実現していたわけです^^
BMCの先見の明には脱帽です。
最近プロ選手の中で着用率が高いエアロソックスにも、縦溝を掘ってエアロ効果を狙ったものがあります。
理屈は同じとみていいでしょう。
こういったフレームの特殊な造形を見ていて最近思うのが、ロードバイクで最も空気抵抗が大きいのはやはりフロントフォーク、フロントホイールなわけです。
そこの空気抵抗を削減する為に生み出されたのが、HOPE-LOTUSに代表される超幅広なフロントフォークなわけです。
ですが、そのフォーク後方には、上下動、前後に動くライダーの脚があります。
特にフロントフォークはライダー、特に脚に風を当てない形状にした方がいいんじゃないか?と思うんですよね。
イメージは、欧州のメジャーな車種ならほぼ標準搭載、最近日本車も一部取り入れ始めている「エアカーテン」。
フロントバンパーに向かってくる風を、サイドに設けた通風孔を通してタイヤの外側に送り、タイヤ周りの空気抵抗低減を狙う仕組みです。
なぜこんな技術が生まれたか?
ホイールハウス、ホイールから吐き出される渦流がとんでもない大きさの空気抵抗を生み出すからです。
国産車の中でも燃費性能トップクラスの「トヨタ プリウス」がアルミホイールの上からホイールキャップを付けたり、EVがブレーキの冷却効率を無視してるんじゃないかってくらいエアロなホイールを採用しているのも、そういった背景が理由の一つになっているそうです。
この理屈から考えると、HOPE-LOTUSに代表される超幅広フォークではダイレクトに脚に風を当ててしまって、結果的に余計空気抵抗が増えると思うんですが…。
ドイツのFESは、バックに某欧州自動車メーカーを付けて空力開発していますしね。
ロードバイクでこんな設計のフレームが出てこないことを願うばかりです^^;
余談でした(笑)
「BMC史上最高に横剛性とねじり剛性に強いフレーム(2013年登場当時)」とメーカーが謳うのも、TMR01の特徴でもあります。
例えばフロントフォークですが、横から見ても明らかに太いです。
フォーククラウン付近でZIPP 404のリムと同じくらいの幅を持っています。
しかも、Vブレーキ内蔵の為に前から見てもかなり幅広な作りです。
「とにかく硬く作りました」感が滲み出ています^^
昔試乗した記憶を辿る限り、乗りこなすには相当な脚力と根性が必要だろうと推測します。
FOILと同じく「カムテールデザイン」
昨今のエアロロードでは採用例が無いくらい浸透した「カムテールデザイン」。
前からの空力には専ら強い翼断面形状の後部をスパッと切り落としたこのデザイン、我が愛車SCOTT FOILが先駆けて投入した形状なわけですが、TMR01も採用しています^^
パッと見、縦方向に分厚い形状なので翼断面に近く見えますが、カムテールの仲間らしいです(笑)
剛性と軽量さのバランスの取れた形状なだけに、このフレームに対する期待が高まります^^
バーテープには、チネリのVOREE JERSEY RIBBONをチョイス^^
デザイン性の良さが売りのチネリバーテープですが、これは個人的に当たりな製品だと思います!
グリップ力が大変強く、巻きやすいです。
スパカズ、フィジーク、カブト、リザードスキンなど使ってきましたが、これは断トツで良いバーテープかもしれません。
ちなみに、汎用性を高めた…というか他社だとここまでしかやらないレベルのモデルとして、「TMR02」もあります。
こちらは一般的なキャリパーブレーキとフロントフォークを携えています。
この構成でもセカンドグレードです(笑)
どれだけBMCが、当時TMR01に気合い入れていたかが良く分かります。
MY2016以前のモデルとの相違点
本品は2017年式なわけですが、リアブレーキのナット穴が2つあります。
純正は勿論写真の通りVブレーキですが、実は2017年モデルの一部モデルのみシマノ系列のダイレクトマウントブレーキが使えるようになっているのです!
私自身これは意外な事だったので、本当にブレーキ用の台座で合っているか、BMC総代理店を務めるフタバさんに確認を取りました。
こちらですね^^
どうやらサプライヤーの都合でVブレーキの供給が不安定になったため、2017年のTMR01/02の一部モデルについてはこの仕様になっているとの事です。
2017年の、しかも限られた時期にしかこの仕様は存在しないそうなので、かなり希少な一台となっています^^
なので、使えるならこの手のブレーキの方が良いわけです^^
ただ、最終の組み合がり状態ではシマノではなく、他社のブレーキに換装しています。
その辺りも、なぜそれをチョイスしたのか、参考にしてもらえると嬉しいです^^
【試行錯誤の跡が見て取れる構造】
個人的には結構そそられるポイントが多いTMR01ですが、世間様から受け入れられなかった要因はここだ!と私は思っています。
先に結論を書いちゃいましょう。
- ブレーキの取り回し
- フロントシフトワイヤーの取り回し
- サドル調整が上か横からしか出来ない
この三点がTMR01のネガポイントだと思っています。
順番に見ていきましょう^^
まずはこちら。
ブレーキケーブルの取り回し
凄いケーブルの入れ方になっています。
こうした方が空力的には不利な気がするのですが、気にしてはいけません。
問題のケーブルは、一本だけ違う方向に向かっている、短い距離しか写っていないケーブルです。
フロントブレーキなのですが、これがとんでもなく面倒なんです^^;
こちらはフロントフォークカバーを外した状態です。
構造自体は普通のVブレーキでして、左側アームにブレーキワイヤーを通すリード管がありますね。
ここからヘッドセットのトップキャップに向かってアウターケーブルが伸びるのですが、アウターケーブルの長さ調整にすごく手間取りました。
なぜか?
組み付け段階で、リード管側のブレーキアームが超片効きになったからです。
どうしてそんなことになるのか、簡単にご説明しましょう。
ヘッドチューブ内の内部状態を示した簡易的な絵です^^;
決して子供の落書きではございません(笑)
「ワイヤー外装またはセミ内装式且つキャリパーブレーキ仕様のロードバイク」
という一般的な構成ですと、アウターケーブルはバーテープ末端からブレーキのアジャスター間で露出しています。
この場合、ブレーキレバーを引くとそれに合わせてアウターケーブルはブレーキ側に多少引っ張られますので、普通アウターケーブルは多少余裕を持たせた長さに設定します。
私はずっとそのやり方でワイヤーの長さを設定してきたので、TMR01にも同じ事をしたんですね。
でも、これがいけなかった。
必要以上にヘッドチューブ内にアウターケーブルを入れ込むと、アウターケーブルがVブレーキを押してしまうんですよ。
原因は、複合的なものです。
- アウターケーブルがトップキャップの穴を自由に動けない
- アウターケーブルが通っているフォークのトンネルの幅が狭い
- ケーブルルーティングが曲線を描き続けるため、たるませる余裕がない
本来なら多少長さに余裕が必要なアウターケーブルですが、余裕を持たせた分当然最短距離で通した場合よりも大きな円弧を描きます。
ところが、アウターケーブルのすぐそばにはフォークに設けられたトンネルの壁があるので、余裕分のアウターケーブルの行き場がありません。
そうなるとアウターケーブルはトンネルの壁に押されますが、トップキャップの穴が狭く、アウターケーブルが自由に動くのもままなりません。
そうすると、ヘッドチューブ内でのアウターケーブル長は変化しませんよね。
勘の良い方ならもうお分かりですね?
一番動きやすいブレーキアーム側に逃げてしまい、アームを押してしまうんです。
こちらはGIANT プロぺルのブレーキ構造です。
Vブレーキ搭載のモデルですが、アウターケーブルはフレームの外に出ています。
これなら簡単には片効きしにくいですね。
また、よく見てみるとフォークのトンネル内に収めたいがために、リード管がめちゃくちゃ小さいRを描く専用設計品になっているんですよ。
引きが軽いところまで持って行けたから良いもののの、一歩間違えれば引きがゴリッゴリになりますよこんなの!
初代TMRを開発した当時のBMCの設計者には、ただただ脱帽します^^;
まだ面倒なポイントはあります。
ケーブルアジャスターは必須です。
ブレーキがカバーされる以上は当たり前ですが、Vブレーキを開放してホイールを外す事も出来ません。
しかしシマノのSM-CB90を付けると、ごつすぎてハンドル周りがごちゃつきます。
なので私はその下の、SM-CB70を取り付けていますが、これでもケーブルルーティングが厳しめになります。
端の方に写っていますね(笑)
基本的にバーテープからトップキャップ入口までの間に仕込むことになりますが、案外このスペースに放り込めるだけの真っ直ぐな空間って無いんですよ。
なのでごちゃつくのを承知の上で、本来取れる最短ルートよりも大きく迂回してブレーキワイヤーを引き込んでいます。
美しくはないですね。
当時のインプレッション記事でも、
「やや気になったケーブルの取り回し。ダンシングで内股に接触することもあるため電動コンポで組みたい」
と苦言を呈されていますしね。
また、厳しめなケーブルルーティングになりますので、ワイヤー類もシマノの並みのワイヤー&ケーブル類では最初からゴリ感が出てしまいます。
ここは日泉ケーブル SP31を通して、ゴリ感解消に努めましょう^^
一発で引きが軽くなりますので、お勧めです!
フロントシフトワイヤーの取り回し
取り回しというか、取り付けそのものですね。
こちらはTMR01のBB下の写真です。
通常ならここにワイヤーを通すための裏蓋やガイドがありそうなものですが、TMR01にはダウンチューブから伸びる大きく開いた口があるだけです。
TMR01は全てのワイヤーをアウターケーブルごと内装しており、内装処理を一発で決めてしまえば、どこかでケーブルを引っ張り出すための小窓を設ける必要が無い!という設計をしています。
だいぶエンドユーザーを苦しめる設計ですね^^;
一度ヘッドチューブに備えられたグロメットから入ったケーブル類は、ディレイラー、ブレーキ各々の出口に到達するまで、一度もフレームの外に出てきません。
察するに、BB下にあるVブレーキの高さにダウンチューブを合わせ、トータルで空気の流れを整えようとする狙いがあるものと思われます。
小窓を設けてしまったらそこがダウンチューブの最下点になるので、ブレーキが隠れたとしても前面投影面積が増え、空気抵抗が増えますからね。
で、この仕様の何が面倒くさいかというと、
シフトケーブルの取付、交換作業ごとにBBを外す必要があるのです。
特にフロントディレイラーが大問題で、BBが付いていると作業不可能です。
こちらはインストールマニュアルの動画の抜粋です。
二本見えているのは、リアブレーキとフロントシフトのアウターケーブルです。
リアブレーキとリアシフトはともかく、特にフロントシフトアウターは絶対に先に通しておかないと、BBを取り付けてしまってからでは取り付けできません。
はっきり言ってこんなに面倒な自転車は初めてです…。
サドルの取り付け
さあ、ここが本章の目玉。
人によっては
「TMR、ゴミやんけ」
と感じるポイントだと思います^^;
実際私も「ここはいただけないな…」と思います。
TMR01は基本的に、当時のTTバイク「TM01」の設計をそのまま落とし込んでいる部分があります。
専用ブレーキや専用のカバーなんか、まさにそうですよね。
シートポストの構造もそうです。
TMR01のやぐらを撮ったところです。
左の部品から順番に、シートポストに取り付けていきます。
構造自体は、安価なシートポストによくみられる「ギザギザ受け」でサドル角度を固定する方法ですね^^
こういう風に、ギザギザと言いますか山と谷の形状になるよう掘られています。
山の数は全部で26ヶ所あります。
物理的に実現可能かはさておき、受け側の山の数次第ではざっくりこの山の倍数、つまり50ノッチ前後分くらいの角度調整代を設けているという事です。
また、右端にボルトが一本あります。
これがサドルを固定するボルトなのですが、この手のボルトは正確には「六角穴付きボルト」と呼びます^^
スポーツバイクではお馴染みのボルトですね。
で、TMR01は純正では違うボルトが入っていまして、
頭がスパナを掛けられるようになっている「六角ボルト」が入っていました。
つまるところ、独断で入れ替えています。
なぜか?
六角ボルトはあまりにも作業性が悪いのです!
昔乗っていたバイクのシートポストがこの手のやぐらだったんですが、サドルの微調整がとにかくやり辛かった経験があります^^;
具体的にどう悪いのか?
横から工具を入れるとなると、ボルトが手の力で締められる範囲内でも、いちいち工具でボルトを回さないといけなのです。
最後の本締め程度なら、横から締める分には全然良いのです。
でもそこに至るまでの、要はサドルクランプがガチャガチャ動ける状態の場合。
横から回すより、上からなり下からなりで六角レンチでクルクルっと素早く仮締め出来る方が理に適っています。
サドル位置は動力伝達の基礎ですが、ボルトにアクセスする方向如何では肝心のサドル位置、角度の微調整をした後に誤ってサドルをズラしてしまうリスクがあるよって事です。
なので後付けで、六角穴付きボルトに変更しています。
ただ、これもこれでデメリットがありまして、
- 穴空きサドル以外使えない
- 座面裏とサドルレールが近いと、ボルト頭が座面裏に干渉する可能性がある
となるわけですが、横から締める煩わしさに比べれば些細な問題です^^
特にサドルとの干渉は、低頭ボルトに換装すれば良いですしね。
まあ、そもそも私は穴空きサドル派なので特に問題はございません(笑)
そしてもう一つ。
やぐら側にギザギザの溝が掘ってあるというお話をしました。
それ故の最大の欠点。
サドルの角度調整が大雑把にしか出来ないのです。
いや、物理的にそうならざるを得ない、といった方が正しいでしょうか。
こちらは、今TMR01に取り付けている、セライタリア FLITE BOOSTです。
サドルの新境地開拓のために仕入れたものです^^
POWERやARGOなど、後ろが反っているのではなくフラットな座面で、且つUCI規則をクリアできるショートノーズがあればと思……失礼、脱線しました。
写真は、今現在の取り付け状態です。
若干前下がり気味に傾いてはいますが、ベースのしなりが大きいサドルなので、撓んで真っすぐになる事を見越し、これを基準状態とみなしています。
ここから、少しサドル先端を上げる場合を想定して、調整してみましょう。
あれ?
こんな傾く?
次はノーズを下げてみましょう。
少し下げ過ぎました(笑)
但し、2ノッチ分です。
1ノッチ当たり何度変化するのか気になったので、簡易的ですがiPhone11内臓の水準器アプリで角度変化を計ってみました。
変化量は1ノッチ当たり1度です。
当て方によっては数字が変化しない時もありますが、中の水準器の絵は傾いているので、0.xxの変化なのでしょうけれどほぼ1度と見ても良いでしょう。
さて、ここで考えて頂きたいのですが、「1度ずつの調整代」を大きいと見るか、小さいと見るか。
皆様ならどう見ますか?
個人的に、サドル角度は結構シビアに出すべきポイントと考えています。
私の場合、最後の微調整では、サドルの後端やノーズの先端をトントンと軽く叩いて調整します。
お尻へのフィット感を損なわず、尚且つ会陰部の圧が柔らかくなる絶妙なポイントを探ってゴール、としています。
それこそコンマ台の数字の世界です。
しかし、フィッティングを受けた身としては、コンマ台の調整がパフォーマンスに劇的な変化を与える事を経験的に知っています。
そういう意味では、ハイエンドバイクにギザギザ受けのサドルクランプは頂けないですね…。
前乗り対策で若干ノーズを下げたいとか、フラットよりわずかにノーズを上げたいとか、そういうニーズに応えるならば、本来なら二本締めや横から一本締めが理想的です。
ブレーキやシフトの問題が霞むレベルで、とんでもない欠点ではないでしょうか?
万人に合わせなければならないロードバイクの、ポジション調整の幅を奪っているんですから。
以上をまとめると、
- ブレーキの取り回し
- フロントシフトワイヤーの取り回し
- サドル調整が上か横からしか出来ない
この三点がTMR01のネガポイントだと感じます。
ところで皆様。
結構ボロカスに書いていますが、気にしてはいけません(笑)
【”BONTRAGER SPEED STOP”で理想のブレーキングを手に入れる!】
さて、お次はブレーキに参りましょう。
ブレーキは本来、専用のVブレーキが付属します。
前だけでも結構な苦労だったのに、これが前後となると想像を絶する大変な苦労になるわけです。
が、私のTMR01は違います。
リアブレーキは、ケーブルアジャスター付きのダイレクトマウントブレーキに換装してあるんです!
私がTMR01のリアに入れたブレーキがこれです^^
シマノではなく、TRPでもなく、ケーンクリークでもない、
BONTRAGER SPEED STOP
を導入しました。
なぜシマノじゃダメなの?
という部分についても交えながら、次は本品を導入したポイントをお伝えします^^
SPEED STOPを導入した理由は以下の4つ。
- ブレーキングの感触を好みの仕様に調整できる
- 左右一体構造なのでブレーキ本体の剛性が高い
- クイックリリース機構、バレルアジャスターがある
- 軽い
特に注目したいのが、1番。
本品は「パワーアジャスター」という機構を備えています。
調整ネジを回すことで、ブレーキアームの支点位置を変更し、ブレーキレバーがシマノだろうとカンパニョーロだろうとスラムだろうと、ブレーキシューがリムにタッチした先の感触を好きな状態に設定できるのです。
こんな便利なブレーキがあるなんて、リムブレーキもまだまだ捨てたものじゃありません^^
また、ブレーキ本体もシマノのように左右のアームが独立して力が逃げやすい構造ではなく、しっかりと連結された一体構造なので、剛性面でもばっちりです^^
嬉しいのが、クイックリリースとバレルアジャスターがある事!
これがあればケーブル間にわざわざアジャスターを噛ませる必要は無いですし、ホイール交換の手間も超簡単になります。
私の中でBONTRAGERの株が一気に上がりました(笑)
では、逆にシマノにしなかった理由をまとめていきます。
こちらはシマノ BR-R8010-Rですが、実は取り付けて走らせる直前までは持って行ったのです。
ですが、走らせる前にSPEED STOPの存在を知り、即行で外してしまいました。
なぜシマノではダメなのか?
理由は以下の5つ。
- 左右のアームが独立して、着脱が大変面倒くさい
- フレーム側の取付台座付近の剛性にブレーキタッチが左右されやすい
- 別途アジャスターなどを要する
- 左右アームの固定バネが固く、引きが重い
- ワイヤーを上手く固定し辛い
特に問題なのが、4番目です。
はっきり言って、シマノのBB下用ブレーキは構造自体はおもちゃみたいなものです。
新品購入時に付いてくる、左右アームの保持用プレートが無いとバラけてしまいます。
特に厄介なのが、リターンスプリング。
これがアホほど固く、取り付けの際に上手く左右のアームを連結出来ないし、取り付け出来ても左右のアームが傾いてしまうとダメ。
極めつけに、通常のキャリパーブレーキと比べると全然引きを軽くできません。
しかも調整機構も搭載していない…。
取り付けた状態がブレーキのベストセッティングという状態ですが、私的には全くベストな感触ではありません。
ワイヤーの固定方法も、通常のキャリパーブレーキに比べると何とも固定し辛い構造です。
純正Vブレーキと比較するとマシですが、他に選択肢があるなら全く使う気になれないブレーキです。
そこで色々調べたのが、「ダイレクトマウントだけど、シマノ以上の調整機構やアジャスターも付いた、しかも軽いというやけに手の込んだブレーキがある」と知ります。
それがBONTRAGER SPEED STOPだったと言うわけです^^
好みのブレーキパワーに出来ると言うのは、唯一無二の機構なんじゃないかと思います!
ちなみにブレーキ本体の固定方法ですが、嵩上げが必要です。
そのままではバレルアジャスターがダウンチューブのトンネル出口にぶつかるので、取り付け出来ません。
取り付け方法は4つ。
- 純正ボルトをロングボルト(50〜60ミリ)に換装+15〜20ミリのナット又はカラーを噛ませる
- 純正ボルト+六角スペーサー(M6→M6)を噛ませる
- 純正ボルト+イモネジ(20ミリ推奨)と高ナット(15〜20ミリ)を噛ませる
- BONTRAGERの純正アダプターを噛ませる
私は3番で対応しています^^
とにかく嵩上げできるなら、方法はなんでも良いのです。
惜しいのは、今時点では純正Vブレーキのフィーリングをお伝えできない事です。
純正ブレーキをすっ飛ばしていきなりダイレクトマウントブレーキにしたわけですが、これだけ良いブレーキを付けちゃったら今更元に戻したくないです(笑)
シマノのケーブルアジャスターも不要になりますしね。
私はなるべく、ブレーキレバーとブレーキ、または変速機の間にかまし物をしたくない派なので、これはありがたいです。
【TMR01のプロコンをまとめる】
と言うわけで、色々書きましたが、ここからは「組み上げ時点」でのTMR01の良いところ、良くないところをまとめていきます^^
あくまでも組み上げ時点でのお話です。
実走はまた後ほど書きます。
ここがイケてる!
- 現代のディスクエアロロードにはないゴテゴテ戦闘機感(ガンダ○に憧れる男の子感覚(笑))
- 他のバイクを凌駕する極太&超高剛性フロントフォーク
- 意外としっかり効くフロントVブレーキ
- 専用ハンドル、ステムじゃないので汎用性が高い
- 機械式でも普通に組めるし変速する
- 意外と軽い(FOILと感覚的には同じくらい)
フロントブレーキは結構しっかり固めで手ごたえのあるタッチです^^
シマノ製キャリパーブレーキと比べても遜色ありません。
また、完成した状態で持ち上げると、結構軽いです。
まあそれでもミドルグレードのFOILと同じくらいなので、劇的に軽いわけでは無いですが^^;
ここがイケてない…
- ブレーキ、シフト共に一手間二手間必要
- フロントブレーキのアウターケーブルがトップキャップの穴と擦れてボロボロになりやすい
- ブレーキアジャスター必須
- 全ワイヤーがフルアウターのため、長さが足りないと一発でアウト
- ダウンチューブの開口部が汚れや水を巻き込む可能性大
- フロントディレイラーのケーブル交換はBBまで外す必要がある
- サドル固定ボルトが上締め(又は六角ボルトで横から工具を入れる)
- サドル角度調整単位が1度刻み
致命的なのは、BBを外さないとアウターケーブルを変えれないところと、サドル角度の調整代ですね。
使えるサドルが限定されがちなのもいただけません。
その他は、微妙に惜しいポイントが多い感じです。
とは言えですよ。
走ってみてフィーリングが良ければ、万事OKなわけです^^
ロードバイクとしてどうなのか?
満足いく走りが出来るのか?
その辺をインプレッションしてみようと思います^^
【TMR01、外へ行く】
という事で、紆余曲折あったTMR01ですが、実走インプレッションに参りましょう^^
見出しが「岸部露伴、ルーブルへ行く」に似ているのは気にしてはいけません。
トータル200キロほど。
大会、トレーニングの両面で走っております。
ホイールはレーシングクアトロカーボン、ZIPP 404の二本で走行しています。
結論から先にお伝えしましょう、走ってみた感想を一言で表現すると…
今まで所有した中で最も優秀なバイクです!
何て言えば良いのか、どの領域においてもFOIL比で5~10%増しで速いんですよ。
私が乗ってみて、どう感じたのかをお伝えしていきます^^
平坦の巡航性
まずこの時点で驚きを隠せませんでした(笑)
基本的にエアロロードなので平地が速いのは当たり前ですが、私が良く知るFOILの空力を軽く凌駕してきました。
クアトロカーボンだろうが404だろうが、向かい風が来ようが、単独だろうが、高速域をキープしやすい。
ペダリングのリズム感が掴みやすいのです。
特にその傾向は、レースペースの基本である時速40キロ前後から上で顕著になります。
ケイデンス80~100くらいのどこで回しても、各ケイデンス毎でのリズム感を維持しやすい。
トルクで少し押し込むとか、要らない事を考えず、淡々と回す事だけに集中させてくれる。
そんな印象です。
特に集団内で走っている時なんか、脚を止めても進みすぎるくらい速度落ちもゆっくりなので、よほど空力が良いんだろうと推測します。
その時は404を履いていたので、恐らく機材側は凄まじい空力性能を発揮していた事でしょう(笑)
ちなみに、先に述べておきますと、私の中のFOILに対するイメージは、
【古い設計且つミドルクラスながらも巡航性が良く、掛かりも良い、軽い、総じて高次元でバランスの取れたバイク】
です。
これは今も変わりませんし、FOILが私の中のクライテリアです。
FOIL以外ですと、今所有しているKIMERAを含め、かつて初代VENGE、リムブレーキの最終型SUPERSIX EVO、中華カーボンのエアロモデル、アルミフレームなどに乗ってきました。
FOILはこの中で、最もバランスの取れた一台です
ただただ、TMR01がそれを超えてきただけの話なのです。
それだけなのですが、掛け値なしで、何をどう考えても速いです。
ハイエンドモデルとミドルクラスモデルの比較自体が間違いな気がしないでも無いですが、FOILはやはりどこまでいっても「ミドルクラス」であり、TMR01はまごう事なき「プロが使うためのモデル」ですね。
加速性
TMR01の開発コンセプトとして、常に高速で走る事を目的としたライダーに焦点を当てています。
という事は、単純な空力性能だけでなく、高速域に持っていくまでの瞬発力と、脚への負担分散を如何に上手くこなすかが、フレームには求められます。
単に硬いだけのフレームですと、ダメージばかりが返ってきて脚に苦しい思いをさせるだけですからね。
さて、その辺どうなのかというと、不思議な乗り味です。
ペダル踏み込みに対する反発は確かに伝わってくるのですが、パワーを高くしてもあまり重ったるさというか、パワーに比例して反発が強くなる感触は一切ありません。
使った力が淀みなく、スムーズにスピードに変わっていく様を見せつけられます。
とにかく力でねじ伏せて、無理やり加速させているという感じはありません。
先のエンデューロ大会で本機を持ち込みましたが、30分毎に設けられた周回賞を一回獲っています。
その時の速度の伸び方と言ったら、FOILの感覚で踏むと飛び出すぎるから、獲りに行くためのアタックと悟られないように加速するのが大変でした(笑)
少し追い風だったし集団からの加速だったのも手伝い、それほど労せず56~57キロくらい出ていたので、スピード伸びが凄まじいのを身を以て経験しています。
その時だけは、天井知らずでどこまでも進んでいきそうな雰囲気さえ感じました(笑)
あやうくもっと踏み込んで自爆しそうになるところでした、危なかった。
さらに、ホイールの印象さえ変えてしまうほどです。
例えば、FOILやKIMERAだと少しもっさりした感触のあるクアトロカーボン。
TMR01に履かせると、タメも残しているけどしっかり掛かる、見違えるほど良く走るホイールになります。
どんだけフレームでロスしているのかって問題が出てきそうです^^;
加速性ときたら次はスプリントに行きたいのですが、書いてる途中で思い出したことがあるので、先にそちらの項目を書きます。
その項目とは、「快適性」です。
快適性
先の写真を見て頂いても分かる通り、この時は今と別のサドルを付けています。
当時はスペシャライズドのPOWER EXPERTで挑みました。
かれこれこれも6年近く使い続けているサドルです。
気に入ってるのでS-WORKSも欲しいですが、私は座面が柔らかいサドルが好きなので、いつまでもS-WORKSに移行できません(笑)
閑話休題。
で、本題の快適性ですね。
これは低速域と高速域とで、印象がスパッと分かれます。
低速域
30キロ程度では、正直そこまで快適ではありません。
ハイエンドフレームだし、とかく硬いという事から、やはりそれなりに突き上げも大きく感じます。
微振動もちょっと拾い気味だし、路面のうねりもまあまあ的確に伝えてくる。
よって、快適さはFOILには及ばない。
これが、トレーニング中に感じていたTMR01の快適性の印象です。
高速域
「あまり快適じゃないバイク」という印書を持ったまま、いざエンデューロに投入してみたのですが、印象がガラリと変わります。
速くなるほど快適なバイクです^^
なかなか凄い事ですよ。
まず速度的には、ほぼ40キロを下回る事が無い状況でした。
路面は基本アスファルトですが、細かなひび割れ、コンクリ部分との段差、継ぎ目も普通にあるコースです。
まず、路面からの微振動については、かなり薄くなります。
厳密には伝えては来ているのですが、お尻と手に伝わってくる頃にはかすかなザラツキがある程度にまで減衰してくれています。
一発の突き上げより、細かいけどずっと続く振動の方が体へのダメージは大きいと思っているのですが、それがかなりの割合で改善されます。
路面のうねりは普通に伝えてきます。
ただし、段差やうねりを通過した時の衝撃のいなし方が特徴的で、ドンッと一回入力があるものの、その入力一回で全て収束させてくれます。
その入力の強さも、思っていたよりは弱い場合が殆どなのです。
普段から段差に突っ込むときは若干荷重を抜いて通過しているのですが、FOILだと少しリアが暴れ気味になる区間でも、しっかり追従してくれます。
この衝撃吸収性の雰囲気は、まさに欧州車!
…というとかなり美化された印象になってしまいますね^^;
私の愛車、マツダ アテンザによく似ています。
アテンザは元々、欧州車をターゲットに開発された車です。
特に私が乗る前期型の足回りは、比較的欧州車に近い味付けです。
低速域は硬めの足回りなおかげで、段差やうねりで少しだけですが体が揺すられます。
ただ高速道路に入れば、道路の継ぎ目や橋の継ぎ目を通過しても、一発で衝撃が収まります。
衝撃を後に引きずらない感じですね。
TMR01は、自分の車に似ているな、と思いました。
サスペンション入ってるわけでもないのに、不思議なフィーリングです^^;
但しその分、低速域が続くツーリングやヒルクライムは厳しい事になるでしょう。
スプリント
前項「加速性」でも速度の伸びを褒めましたが、スプリントになるともう一つの顔が出てきます。
こういった極限状態の環境で見せる顔こそが、ミドルクラスとハイエンドクラスのフレーム性能差では無いか、と私は思います。
踏みの一発目では、流石に少々強めに押し込んでいかないといけないレベルの硬さを感じます。
そこを抜けていくと、今までより力を必要とせずとも、ケイデンスが面白いくらいに上昇します!
FOILもスプリントは速い部類だと思っていましたが、ゆうにその上を行きます。
FOILは上死点を通過して踏み込む度に、グッ!グッ!と強い入力を必要とします。
それがスプリントの仕方だと、ずっと思っていました。
今まで乗ってきたフレームがミドルクラスばかりだったのもあり、そういう乗り方が癖付いているんでしょうね。
今回TMR01を駆り、「本当の掛かりの良さ」っていうのを理解した気がします^^
スプリントの仕方を改めて考え直す必要すらあります。
ミドルクラスのフレームの中には、踏み込んで速度を上げ続けようとしても、あるところから先でケイデンスを上げきれず頭打ちするフレームっていうのがあるんですよ。
故に、ギアを一枚ないし二枚上げて、トルクで速度を上げようとするスプリントの仕方が、今の私のスプリントスタイルです。
TMR01に乗ったことで、新しい走り方を模索する事を教えてもらえました^^
ちなみに、スプリント中にハンドルが暴れないのも特徴です。
私のTMR01のサイズは、最小となる48サイズ。
ヘッドチューブがFOILより寝ている(70度、FOILは71度)影響を受けてか、ダンシングをしてもハンドルの押し引きやペダリングの動作に対し、フロントホイールがあまり左右に振れず、地面に張り付くような安定感があります。
もがき倒す事に集中させてくれるのも、良いフレームだなと思わせてくれるポイントです。
その分コーナリングが大振りになりますが…(笑)
ヒルクライム ※2023/10/24追記
生憎、ヒルクライムをまだしていないので、改めてインプレッションします^^;
お待ちください。
お待たせ致しました!
淡路島を一周する通称「アワイチ」、いなべ市の山中、海津の峠道など、色んなコースにTMR01を持ち込んでヒルクライム性能、ダウンヒル性能を調べてきました。
まあ、こんなTTバイク然としたフレームのどこにヒルクライム要素があるんだっていうダレトク情報ですが(笑)
続く「ダウンヒル」も併せて読んでみてください^^
まずは、ヒルクライムから。
まず感じた事として、チェーンリングがアウターとインナー、どちらにかかっているかで印象が全然違います。
とはいえ、ギア比的には普通なら「インナーチェーンリング」に掛けた方が、ペダリングは軽くなりますよね。
でも、TMR01は逆なんです。
アウターチェーンリングに入れた方が軽くペダリングできるという、不思議なフレームなのです。
インナーチェーンリングに入れると、ギア比は間違いなく軽くなるんですが、ひと踏みひと踏みがやけに重く感じるようになります。
なぜそうなるのか?
推測するに、「フレーム剛性の高さ」×「ペダリングの癖」が響いているのではないかと考えます。
基本的に硬いフレームは、しなるまでに大きな力を要します。
加えてスプリンターに多いペダリングは、「一点でぐっと力を入れるペダリング」になります。
ヒルクライマーやTTスペシャリストに多いペダリングは、「全周に渡って満遍なく力を掛けるペダリング」になります。
現時点で分かっている事は、TMR01の場合、ヒルクライムにおいては後者のペダリングの方が負担を軽くさせやすいという事です。
そしてそれが実現できるのは、チェーンリングがアウター×スプロケットがローであるという事です。
次は、斜度何%までなら苦しまずに登れるか、です。
元々ヒルクライムが苦手な私ですが、それでも斜度5%くらいまでなら普通に走り抜けられます。
TMR01、意外と上っていきますよ^^
そしてもう一つの特徴として、下ってから登るというシチュエーションに滅法強いです!
空力が良い事も相まって、勢い付けて上っていけちゃいます。
アップダウンで上り坂が短いコースならば、案外心強い相棒になるかもしれません!
ダウンヒル ※2023/10/24追記
こちらも詳報はお待ちください。
上るという事は、下るという事です(笑)
ぶっちゃけダウンヒルが一番フレームやホイールの空力性能を強く感じられる場所です。
スプリントや平地走っていても、色んな要素があまり分からないんですよね^^;
単にペダリングの調子が良いだけなのか、追い風の影響なのかみたいなところもありますので。
なので改めて書きますが、TMR01の空力性能は本物です。
FOIL以上に速く、少し怖いくらいです。
同じ場所を何度もFOILで走っていますが、スピードはFOILよりもう一伸びします。
そして、よく曲がる。
重心移動を上手くしてやると、ヘッドアングル70.5度のフレームとは思えないくらいインに切れ込んでいきます。
極太なフロントフォークのおかげもあり、ラインのぶれもありません^^
こうなってくると、逆にタイヤ側のグリップ力が気になってくるほどです(笑)
もっとカミソリみたいにスパスパ曲がれるセッティングにしたくなりますが、コンチネンタル「GP5000」はそこまでハイグリップではないので、別のタイヤにする必要があります。
まあフレームとは関係ない話なので、割愛します(笑)
ブレーキング
FOILやKIMERAから乗り換えてもすんなり受け入れられます。
いたって普通に乗れます。
普通のアルミホイールなら、全く問題なく止まれるでしょう!
生憎私はカーボンホイールしか持っていないので、そちらの評価しか出来ませんが^^;
ZIPP 404ですとブレーキ面のやすり目が剥がれているのであまり止まりませんが、クアトロカーボンですとゴリゴリ止まれます^^
ただ、ダウンヒルのハードブレーキングや、平地のヘアピンの切り替えしなど、ハードブレーキングの繰り返しによりブレーキシューに熱が入りだすと「キイイイイイイ!」という甲高い音鳴りが出始めます。
トーインをしっかり付けても、ブレーキシューをやすっても、ブレーキ面を清掃しても、です。
ブレーキアーチの剛性の問題なのか、取り付け位置の問題なのか。
剛性だけで見れば、シートステーに取り付けるキャリパーブレーキや、専用ブレーキでもジャイアント「PROPEL」やアルゴン18「NITROGEN」のように、フォーク裏側、もっと言うと「ブレーキをフレームに押し付ける構造」が良いと思いますね。
【まとめ】
この写真、個人的に大変気に入っています(笑)
最後に、まとめ行きましょう!
今回のテーマは以下の通り。
【奇怪な機械】不人気だけど速すぎるバイクを組みました【BMC】 でした。
そして、本稿の結論は
TMR01、恐ろしく速い!!
これですね^^
実は手に入れたは良いものの、ずっと昔の試乗した感覚が自分の中で引き摺っていたんですね。
実機を所有してみて、良い意味で裏切られました^^
ちなみに当時の試乗会で乗ったのは、51サイズでした。
今思うと169センチの私からしたら、結構大きめなサイズです^^;
その当時の記録ですが、こんな事を書いていたようです。
ただ一言、踏みきれない。
硬すぎる!
試乗コース狭いから本気出したらダメですけど、ギア軽くしないと踏み切れませんでした。
RS8でさえ回せたケイデンスに、TMR01だと到達できず。
なんつーフレームだこれ…。こういうフレームこそ燃えないといけないんでしょうけど、なんか硬さの部類がちょっと違う。
許容パワーのハードルがかなり高い気がする、まさに【岩】。しかも振りが重い。
フレームのギミックがTTバイクのそれで、なんか全体的に重いんですよね。
なんかもう乗るのが嫌になるバイクでした。
でもコーナリングはかなり安定してたし、ミニVもよく効くしコントロールしやすくて良かったですよ。多分これはホイールが悪い。
こいつね、DTのくそ重いアルカーボンホイール付いてたんですよ。
シロッコからカーボンホイールに履きかえると、振りの軽さが分かります。
つまり、重いホイールはある程度振りの重さに影響するんです。
結構勿体無いことしてるなって感じ。正直フレームそのものもかなり硬いので、登録選手でもこれ使いこなせる人が何人いるのかも怪しいレベルの硬さ…。
ホイール軽いと面白いフレームかもしれませんね。
こういうのにこそね、持ってるホイール履かせたいです。
今見返しても、だいぶボロクソに言っています(笑)
しかも最終的にホイールが悪いっていう結論に持っていこうとしています^^;
ただ振り返ってみて、試乗経験が100%参考になるかっていうとそういうわけではない事が良く分かりました。
実際は岩みたいな硬さも無いですし、踏み切れないなんて雰囲気も感じません。
ホイールを変えてあげるだけで、こんなにも印象が変わったのもまた事実です。
平坦番長感はありますが、素直にスピードに乗せやすい、良いフレームです^^
軽く乗るだけでは分からないものですね。
自分の持っているホイールを履かせてみてどう感じるかが、一番大事である事を改めて認識した次第です。
皆様も、出来るのでしたら自分の手持ちのホイールを履かせてフレーム試乗される事をお勧めします^^
以上、参考になると嬉しいです^^
それでは今日も、ありがとうございました!