こんにちは、コウです^^
それでは今日も元気よくやっていきましょう!
本日のテーマはこちら。
【苦渋の決断】チューブラーホイールを全て手放しました【全ては勝つために】
こういうテーマでやっていこうと思います^^
これまで私の走りをずっと支えてきてくれた、チューブラーホイール。
レースを本格的に始めた2014年から数えると、実に10年もの間お世話になりました。
良くも悪くも、色んなレースを共に走り抜いてきたホイール・タイヤシステムでしたが、
チューブラーホイール、タイヤを全て手放すことを決意しました。
・・・すぐではないですけどね^^;
8月のシマノ鈴鹿ロードレースが終わるまでは持っておこうと思っています。
それよりも、チューブラーを手放すというのは、私の中では非常に大きな決断です。
私個人としては、S5を迎えたことよりも大きな決断です。
その経緯をまとめましたので、皆様の機材選択の参考になれば幸いです。
【チューブラーを愛用してきた理由】
そもそも私がチューブラーをレースに使ってきた理由。
ここからまずはお伝えします。
リムが軽い=バイクの動きが軽やか
一つ目はこちら。
単純に軽いからです。
今は手放しましたが、私は昔フルクラム「レーシングクアトロカーボン」というカーボンクリンチャーホイールを持っていました。
カーボンクリンチャーホイールが各社から出始めた頃のホイールですが、結構よく走るホイールでした。
当時はIRCの「ASPITE PRO S-LIGHT 25C」を使用していたのもありますが、期待以上のホイールで楽しかったです^^
ただ、リムがやっぱり重たい。
リムハイト40ミリ、幅24.2ミリと、今のカーボンリムからすればちんちくりんなリムですが、1500グラム近い重さがあります。
リム重量がホイールの全てではないことは重々承知しています。
その上で書きますが、どうしてもこれをレースにも持っていきたいとは到底思えませんでした。
恐らくチューブラーリムと異なり、重さがリムにギュッと詰まっているのが原因の一つであることは明確です。
最近はカーボンクリンチャーホイールでも、剛性を犠牲にしないレベルで軽いモデルも普通に出てきています。
重量配分は重要です。
そもそも私は「のむラボホイール」という、軽さと硬さを高次元にまとめられたチューブラーホイールを持っています。
これを履いてたまに走る機会がありますが、特に上りでは軽さはやはり大きな武器になります。
バイクの動きが軽やかになるのをはっきり感じ取れます。
それが気持ち良いのです。
そういった官能性も持ち合わせているのが、チューブラーホイールのメリットの一つだと私は考えています。
ちなみにのむラボホイールは手放しません。
学生時代から使い続けている思い出のホイールなので^^
リムだけ変えて、また組み直してもらいたいくらい気に入っています。
スポークテンションの低下が小さい
理論的なお話をしてみます。
チューブレスが普及した今もあまり目にしない内容ですが、クリンチャーやチューブレスホイールは、スポークテンションが大きく低下します。
手組みホイールビルダー界隈では有名な話のようですが。
何故かと申しますと、リムを変形させる力が強いからです。
チューブレスは特にその傾向が強く、リムを空気圧が直接押すため、タイヤ組み込み前のスポークテンションから最大30%も低下する場合があります。
従って、クリンチャーやチューブレスホイールはスポークテンションの低下分を見越した組み方、テンション調整が求められます。
一方、チューブラーはスポークテンションの低下がほとんど見られません。
つまり、チューブラーホイールは組んだ時のスポークテンションを維持し続けられるため、走りの良い状態を長くキープできるということが言えます。
ところで、
スポークテンションの低下が実際に自転車に乗る上で何の問題になるんだよ?
という疑問が湧く方もおられるかと思います。
直接的に分かりやすい症状で言えば、ホイールセンターがずれて、キャリパーブレーキの再調整が必要になります。
私は昔、クリンチャーホイールで「ゾンダ」、「キシリウムプロエグザリット」を持っていた時期がありました。
どちらもタイヤを外した状態で、のむラボさんに調整をお願いしています。
当時の私は、ホイールセンターとフレームセンターを揃えることに対してやけにシビアに考えていたため、タイヤを外した状態でフレームにセットし、ブレーキを調整してからタイヤをセットして、フレームに戻すことをやっていました。
ところが、何回試しても、タイヤを嵌めると若干ブレーキの当たり方に偏りが出てしまうのです。
のむラボホイールを嵌めてみると、ブレーキ位置はバッチリ出ているのです。
この時の私は、上述のテンションドロップのことを知らなかったのです。
このことを知ってからは、クリンチャーホイールはそういうもんだと思って乗ることにしましたが、当時は理屈が分からず不思議で仕方がなかったです^^;
この点チューブラーホイールならば、タイヤの取付前後でセンター位置がずれるということはほとんど無いです。(厳密に言えばずれてるんでしょうけど、そこまで追い込むほどのずれではないのは確かです)
この辺りのお話は、こちらのサイトにて実測値が掲載されています。
参考にしてみてください^^
加速の素早さはクリンチャーを上回る
クリンチャータイヤでもチューブラータイヤでも、めちゃくちゃに軽いタイヤを使った経験は無いんですけども^^;
転がり抵抗の試験では、チューブラーよりクリンチャー、チューブレスの方が転がり抵抗は小さいとされています。
レースと言えど、基本は定速巡航になるシーンが多いです。
そうすると一定ペースで転がしている時は、クリンチャー系のタイヤの「転がり抵抗の小ささ」が有利に働きます。
しかし、ことダッシュやインターバルの加速勝負では「絶対質量が軽い」チューブラーの方が速いと感じます。
リム剛性、リムやホイールの軽さ、スポークテンションドロップの小ささなど、反応性を重視するシーンではチューブラーホイールの方が分があるという感じですね。
特に上り坂を駆け上がるシーンは、踏み込みによる加速と、重力によって引っ張られる減速、すなわち加減速の連続です。
こういうシーンでは、チューブラーの軽さが活きてきますね^^
「レース専用」の箔
私個人としては、チューブラーホイールを所有する一番の意義は、やはりここにあるんじゃないかと思います。
今でもチューブラーホイールがレース用って方は多いと思います。
私がレースの世界に飛び込もうと思った当時は、
- クリンチャーホイール=トレーニング用
- チューブラーホイール=レース用
こんな使い分けが普通になされていました。
特にレース用のカーボンホイールなんて、チューブラーしかありえないといった雰囲気が普通にありました。
シマノも、カンパ・フルクラムも、マビックも、ローヴァルも、ZIPPも、ENVEも、みんなそうでした。
なんならプロの世界でも、2024年現在でもチューブラーで戦っている選手はまだまだいます。
VISMA | Lease a bikeに所属するツール覇者「ヨナス・ヴィンゲゴー」もその一人です。
そのくらい特別なホイールなのです、チューブラーって。
「出番があまり無くても良い、ここぞというときに役立つ機材を持っている!」という優位性と安心感、とでも言いましょうか。
心の持ちようが全然違うんですね。
だからのむラボホイールだけは、手放したくないというのもあります(笑)
まとめると、私はチューブラーホイールが大好きなんです。
今後もレースに出続けるつもりなので、やはり気持ち的には、一本は時代の最先端を行くチューブラーホイールが欲しいなあと思っています。
【チューブラーシステム、最大の欠点】
では、そんな私がなぜチューブラーホイールを全て手放すことに決めたのか?
その理由を今からお伝えします。
結婚したから
一番の理由がこれです。
うん、真面目に書いています(笑)
要は「生活環境の変化」です。
私はチューブラータイヤを「リムセメント」で貼り付けます。
チューブラーテープのコスパの悪さ、使い勝手の悪さ、性能の良し悪しを考慮すると、どうしてもリムセメントの方が良いのです。
チューブラーシステム独特の儀式みたいな側面も持っていますしね^^
ただ、リムセメントは独特の臭いを放ちます。
人間が吸い込み続けると体に悪い成分が入っています。
私は10年近くリムセメントの臭いをたまに吸ってきたので慣れていますが、正直これを伴侶や、先々産まれてくるか分かりませんが子供に吸わせるわけにはいきません。
リムセメントが乾くまで外にホイールを置いておくなんて不用心な事もできませんし、ホイールだけを隔離するスペースもありません。
だったらチューブラーテープ使えば良いのでは?
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、私の経験上、リムセメントとテープの間には、「接着力の強さ」という超えられない壁があります。
私も最初はチューブラーテープで運用していました。
センター出しという慣れない作業に慣れるために、まずはチューブラーテープからという考えです。
で、二本目のタイヤからはリムセメントに移行しました。
当時から今もパナレーサーのリムセメントを使っているのですが、初めてリムセメントの蓋を開けたその日は、それはそれは酷いものでした。
まず、ふたを開けた瞬間から臭い。
とかく体に悪そうな臭いが部屋に充満し、そんな環境の中でセメントを塗り重ねて「ベッド」を作らないといけない。
その後の乾燥も加味すると、タイヤを貼る前の作業だけで二日潰れます。
タイヤを貼り付けようとするも、空気の入れる量が多すぎてタイヤが縮んでリムに乗らない。
空気を抜きすぎると、ふんどし面がうまくベッドの上に乗ってこないし、
しっかりタイヤを伸ばさないとリムを掴んでタイヤを乗せることになるから、セメントがべったり付いたリムに手を触れてしまうし。
挙句、手に水膨れができる始末。
そこまで苦労したのに、タイヤは全然センターが出ていない状態のまま接着されてしまう・・・。
そんな二本目のタイヤ交換でした(笑)
自転車のパーツでここまで絶望を憶えた機材もそうありません^^;
これでチューブラーテープと何も差が無ければ、絶対テープに戻そう・・・と考えていました。
ですが、丸一日走ってみて違いを確認しました。
チューブラーテープよりリムセメントの方が、確実にダイレクト感が強かったのです。
この時点で、私の中で「チューブラーテープをレース運用する」という発想は消えました。
チューブラーテープの運用の楽さというメリットは良いですが、レースでは時としてトレーニングでは起こり得ないハードな動きも出てくるものです。
そんな極限状態でも信頼してタイヤを預けられるのが「リムセメント」です。
苦労は確かにするけど、この走りの良さを手に入れられるんなら、使い勝手の悪さくらい捨ててもいいじゃないか。
なんならチューブラーテープを使うくらいなら、チューブラーそのものを止める。
その覚悟で使っていました。
その時が来た、それだけです。
最新の技術が投入されなくなったから
これはホイールの中でも、リム側のお話です。
今やホイールは「エアロダイナミクスの塊」となっています。
ディープリムが苦手としていた横風への耐性、ハンドリングの安定性、カーボンスポークなどなど、今のカーボンホイールの性能は昔のそれとは全く異なります。
それだけ、リムが担う役割が増えたということです。
ですが、数年前からクリンチャータイヤが脚光を浴び、チューブレスタイヤが脚光を浴び、ディスクブレーキが台頭し、今やホイールに関する技術の最先端は
チューブレスタイヤ × ディスクブレーキ
です。
チューブラータイヤ専用のディスクブレーキというニッチなホイールを出すメーカーも存在しますが、リムブレーキ用の最新型チューブラーホイールというのはもはや絶滅に近い状態です。
かろうじてシマノが「WH-R9100/R9200-Cxx-TU」をラインナップしていますが、これくらいです。
つまりどういうことか?
最先端の技術を結集したチューブラーホイールが殆ど無いということです。
タイヤだけは最新をいっています。
ビットリア、ピレリ、ミシュランといった欧州メーカーはチューブラータイヤを捨てていません。
しかし、ロードバイクと切っても切れない関係である「空力」を重視するならば、タイヤとホイールのマッチングはセットで考える必要があります。
チューブラーだけは、そこを切られてしまっているのです。
タイヤだけ先を行ってしまっても、ホイールも含めたバランスが取れていないといけません。
【もはや”リムブレーキ用”というだけで時代遅れになりつつある】
ロードバイクのタイヤも、今はどんどん太くなってきています。
私も元々23Cくらいが一番良いと思っていましたが、別のホイールで28Cを使ってみて、考えが変わりました。
最新タイヤでも未だに加速のキレが薄いのはデメリットですが、それ以外の要素が素晴らしいです^^
単純にグリップのキャパシティが上がるので、安心感がやはり違いますね。
そうすると、28Cまではいかずとも26Cくらいは履きたくなります。
但し、フレーム側のクリアランスはいくらでも広げられますが、リムブレーキはその構造上、ブレーキ側のタイヤクリアランスの上限が、実質使用可能なタイヤ幅の上限になります。
今のシマノのキャリパーブレーキですと、28Cが上限です。
ここで問題になってくるのが、リムブレーキフレームだとリムの更なるワイド化に遅れを取り始めているということです。
数年前から「内幅21ミリ、外幅28ミリ」というホイールが出て、今は30ミリを越えるリムすらも出てきています。
ROVALの「RAPIDE CLX2」なんか顕著ですね。
フロントのリム幅が35ミリもあります。
幅ですよ、幅、リムハイトじゃないんです^^;
この極端なリム形状になった裏には、リムの形状がハンドリングに悪影響を及ぼし、推力を失わさせることが判明したという実験がベースになっているそうです。
理論上それが最適なリム形状になるというのは良いとして、それをリムブレーキ用に作ろうとすると、キャリパーブレーキを全開放して、ブレーキシューを片側4ミリくらい削ってようやくまともに乗れるレベルになりましょう。
つまり、実用的ではない。
万人が使えない極端な調整を求められるパーツは、単なるキワモノになり、受け入れられないのが工業製品の常です。
ロングアームにするなど、リムブレーキでもまだまだワイドリム、ワイドタイヤへの対応の余地はあると思うのですが、シマノが完全にディスクブレーキ普及の流れを作っているので・・・。
現時点では、リムブレーキはほったらかされる運命にあると言えます。
未だにリムブレーキユーザーを見捨てずにホイールを提供している中国新興メーカーには感謝しかありません。
使いませんけど(笑)
【まだ最新スペックに近いリムブレーキ用ホイールを導入!】
色々書いてきましたが、技術の進歩に伴い「レース用=チューブラー」にこだわる必要が無くなってきたと感じています。
なので、TLRのクリンチャーホイールを、レース用に一本持とうと決めました。
購入に際し、重視したポイントは以下の通り。
- リム形状はU字のもの
- リム幅は28ミリ、リムハイトは45ミリ辺りが理想
- 可能な限り空力に配慮したリム形状、パーツ選定をしている
- 「ロードレース用ホイール」として見た時にしっかり走れるバランスの良さ
クリンチャーリムなので、どうあがいてもチューブラーリム程軽くはできません。
軽すぎるリムはスプリントのパワーに負けることも考えられます。
でもある程度の軽さも欲しいのは事実。
加速勝負になると、エアロより回転に必要な力の少なさの方がやはり有利です。
なので、リムそのものの推力で以てリムハイトの低さを補うという発想から、リムハイトは45ミリを落としどころとしました。
そんな考えの下、私の手元に来たのは・・・
SCOPE R4
になりました^^
オランダの新進気鋭のメーカーです。
魚の鱗をリム前面に配した「ARTECHシリーズ」が注目のメーカーですね。
果たしてどんな走りなのか!
組み合わせるタイヤは、ピレリ「P ZERO RACE 26C」!
自転車人生で初のピレリタイヤです。
カラーエディションで、ライムを選択。
S5と色が完全に一緒です^^
【まとめ】
最後に、まとめ行きましょう!
今回のテーマは以下の通り。
【苦渋の決断】チューブラーホイールを全て手放しました【全ては勝つために】 でした。
そして、本稿の結論は
ついにカーボンクリンチャーをレースに使います
これですね^^
一旦はクリンチャーで運用します。
クリンチャータイヤを使うメリットは、なんと言っても「決戦用と練習用で、タイヤをすぐに使い分けれられる」ことに尽きます^^
レースの時はパンク層を最小限にした軽いタイヤにし、トレーニング時は耐久性の高いブチルチューブと肉厚トレッドのタイヤに切り替えられます。
そういった使い分けは、チューブレスやチューブラーでは容易にはできません。
クリンチャーだからこそなせる業です^^
R4の初陣は、7/7の「東近江エンデューロ&クリテリウム」になります。
しっかり走り込んできます^^
以上、参考になると嬉しいです^^
それでは今日も、ありがとうございました!
ここから先は2024/7/5に追記した内容です。
マーク・カヴェンディッシュが、ツールドフランス最多優勝記録を「35」に塗り替えました!!!
ツールドフランス第5ステージで、ついに歴史的大記録を更新です!
そしてアスタナ・カザフスタンは今年、VISIONホイールを使用しています。
私も「METRON55 SL」を持っています^^
マーク・カヴェンディッシュのファンの一人として、歴史的偉業を達成したメーカーのパーツを手放すわけにはいきません。
VISIONホイールだけは手元に残しておくことに決めました!
以上、投稿から一週間と経たずに前言撤回でした。
チューブラーはシリルカウレタンボンドがいいですよ。ウルトラ多用途SU プレミアムソフト
マスティックなのでソフトがいいのです。
リムセメントなんて古典的
tkcさん
こんにちは。
コメントおよび情報提供ありがとうございます。
コニシボンドの商品ですね。
昔VIttoriaから出ていた「マジックマスティック」に似た感じの使用感であると聞きます。
たしかに仰るようにリムセメントの使用は古くさいですが、タイヤ周りなだけに最も信頼のおける選択肢であると考えております。
試してみたいものの、もう家にはクリンチャーホイールとTLRホイールしかないので試しようもございませんが・・・。
ありがとうございます。